薄型チェストなどの家具を造る大川市とは?

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■薄型チェストなどの家具を造る大川市とは?■

▪疑問確認▪

薄型チェストの中には、福岡県の大川市で製作されたものがあるようだけど、この大川市ってどういうところなの、という疑問を持っている方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。

 

▪薄型チェストとその生産地▪

昨今人気となっている薄型チェストは、その名の表すように、奥行きがあまりない収納家具です。開発コンセプトとしては、狭いところでも置いて使える引き出し付き収納家具ということです。

すなわち、奥行きも、高さも、幅もコンパクトな大きさである薄型チェストは、狭いスペースという限定された空間に収まるだけではなく、人が歩くときや何かしらの作業をするときに、邪魔にならないという利点があるのです。

このように素晴らしい収納家具の中には、外国産もありますが、実のところ、国内産もあります。日本の生産地としては、とても有名な家具生産地である福岡県大川市も含まれています。ここでは、その大川市に関して、知識を深めていきたいと考えています。

 

▪大川市という家具の生産地▪

大川市は、福岡県の南西部、筑後川河岸にある家具で知られた街で、家具生産高は日本一となっています。人口は約3万5千人で、久留米市や柳川市と隣接しています。

「めざせっ!元気・快適空間 インテリアシティおおかわ」というキャッチフレーズで街ぐるみで家具の街をアピールしています。そして、家具の街であるイタリアのポルデノーネと1987年に姉妹都市となりました。

 

▪大川市の家具の歴史▪

筑後川が近くに流れていることから、上流に位置している日田の木材が流されてきて、材木の集積地になっていました。そして、船大工の技術を用いて指物を造ったことが大川の家具の始まりです。そして、大川市の周辺にも家具に関連した産業が発展しています。

 

そもそも、室町幕府の第12代将軍である足利義晴の家臣であった榎津遠江守の弟に当たる榎津久米之介(文明17年(1485)-天正10年(1582))は、兄が戦死すると出家して天文5年(1536年)に願蓮寺を建立しました。これが現在まで存続している大川市榎津本町の願蓮寺になり、その前には榎津久米之介の銅像が建てられています。

榎津久米之介は、家臣達の生活のために、木材が集まる地の利と船大工の技術を生かして、指物と呼ばれる家具を造りました。これが、榎津指物の始まりと言われています。天正10年(1582年)の久米之介の死後も、家臣達によって指物製作が続けられました。

 

田ノ上嘉作は、文化9年(1812年)榎津長町に生まれ、家や建具の製作をしていましたが、大阪で修行した優れた指物師に久留米で師事してその技を習得しました。そして、釘を使わずに組み木で製作する榎津箱物を造りました。息子の儀助、孫の小平次へその技術が伝承されます。

 

そして、明治になると、榎津箪笥(たんす)と呼ばれる大きな衣装たんすが造られるようになります。そして、明治22年(1889年)に市町村合併で大川町が誕生し、やがて、明治・大正を通じて徐々に機械化もされるようになり、全国的に家具の街として知られていくようになります。

 

▪第2次世界大戦直後の資材不足からの復興▪

日中戦争から第2次世界大戦直後は、大川の家具によって受難の時期でした。材料が手に入らなく、家具製作もままならない状態でした。しかし、国内の復興が始まると、家具の需要は増加し、活況を呈するようになりました。そして、機械加工技術が更に発展して生産性が向上しました。

それから、昭和26年(1951年)から工業デザイナーの河内諒によってシンプルなデザインの家具が造られるようになり、引き手のないデザインである「引き手なしたんす」はヒット商品になりました。

現在も、大川市では、デザインの優れた家具を製作して、時代の先端を走っているのです。

 

▪引き手なしたんすは、薄型チェストの前身▪

河内諒によってデザインされた引き手なしたんすですが、その姿を見ると薄型チェストを大きくしたものと見なすことができるのではないでしょうか。

従って、薄型チェストは、単に大川市で造られているだけではなく、脈々と続く大川家具の伝統と革新に裏打ちされて製作されているのです。

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▪大川木工まつり▪

毎年10月に大川木工まつりというイベントが開催されています。様々な催しが企画されていますが、大川産業会館において、大川の家具メーカーの製作したインテリア家具の展示即売会が行われています。お買い時品もあるようですので、掘り出し物を見付けることができるかもしれません。

それ以外には、フリーマーケット、屋台、ショウ、ゲームなども行われます。

 

好評のようで、秋に加えて、春にも大川木工まつりが開催されるようになっています。

是非とも、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

 

▪まとめ▪

以上より、大川市の家具産業は、数百年の歴史と伝統を持つ由緒のあるものであることが分かりました。そして、伝統に、革新的なデザインを取り入れた家具を創り出すことで、現在でも、その地位とブランドを保っているのです。薄型チェストなどもそういう背景のもと、造られた家具なのです。

それでは、家具の伝統を継承する大川市で造られた薄型チェストをご活用して、その歴史を感じてみてはいかがでしょうか。


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