現在の北アメリカで行われているハロウィン実情を知りたいです

お悩み確認

 アメリカではハロウィンは盛り上がっているようだけれど、アメリカを含めた北アメリカの実情を知りたい、というお悩みを持っている方がいらっしゃるようなので、それを解決したいと思います。

アイルランドからもたらされたハロウィン

 古代ケルト人のサーウィン(Samhain)という収穫感謝祭や悪霊払いがハロウィンの起源とされています。そして、ケルト文化が根強く残ったのがアイルランドなのです。ローマ人にもアングロ・サクソン人にも征服されませんでした。キリスト教が入ってきたり、イングランドの支配下に入ったりしましたが、ケルト文化は温存されました。
 そして、アイルランドに起きた1845年頃のジャガイモ飢饉に際して、アメリカへの移民がハロウィンをもたらしました。

アメリカ

 パリ条約によって1783年に北アメリカの13植民地が独立したアメリカに、ハロウィンはアイルランドからの移民によってもたらされました。
しかし、偶像崇拝を認めていないプロテスタントの影響の強いニューイングランド植民地群では、ハロウィンは根付きませんでした。そのため、プロテスタントの影響の少ないメリーランドのような南部植民地群でハロウィンは根付いていきました。やがて、アメリカ独自の発展を遂げていくのです。
ジャック・オー・ランタン(Jack-o’-Lantern)は、アイルランドではカブやルタバガで作られていましたが、アメリカには存在しないため、パンプキンで作られました。
 そして、トリック・オー・トリートは、1950年には浸透していたようです。1951年にはピーナッツという漫画、1952年にはディズニーのアニメーションでその場面が登場します。
 現在、アメリカのハロウィンは宗教色がほとんど感じられず、大勢で仮装などをしてパレードをしたり、食事をしたりして楽しむ行事となっています。ハロウィンコスプレも、定番となる格好から離れて、いろいろな衣装が着られています。
 このスタイルのハロウィンが世界中の国々にもたらされて、その地で楽しまれているのです。

 また、魔女狩りはヨーロッパだけではなく、実はアメリカでも行われました。1692年に、マサチューセッツ州のセーラムで、200人近くが魔女として訴えられ、13人の女性、6人の男性、2匹の犬が魔女として絞首刑されました。そのため、現在、セーラムはハロウィンのときには大賑わいとなっているようです。

カナダ

 始め、カナダはフランスの植民地でしたが、1763年のパリ条約によって、英仏戦争で勝利したイギリスは、フランスの北アメリカの領土を全て割譲されました。しかし、ケベックにはフランス人が住み続けました。
 また、アメリカ13植民地が独立した際、王党派のイギリス人がカナダに逃れました。
 そして、1867年にカナダは建国されました。
また、ジャガイモ飢饉によって、1847年には多くのアイルランド移民がケベックに上陸してカナダに入ってきました。そのため、ハロウィンも一緒に入ってきたと考えられます。

 トリック・オー・トリート(Trick or Treat.)という言葉が、1927年11月4日付けのAlberta Canada Herald誌に現れています。「Hallowe’en provided an opportunity for real strenuous fun. No real damage was done except to the temper of some who had to hunt for wagon wheels, gates, wagons, barrels, etc., much of which decorated the front street. The youthful tormentors were at back door and front demanding edible plunder by the word “trick or treat” to which the inmates gladly responded and sent the robbers away rejoicing.」
 実は、これがトリック・オー・トリートの出て来る初めての文献なのです。従って、アメリカのみならず、カナダでもハロウィンが独自の発展をしていることが分かります。その背景にはアイルランド移民の影響があると思われます。

メキシコ

 ラテンアメリカ諸国では、10月31日から11月2日にかけて、死者の日という行事が盛大に行われます。この期間は死者の魂がこの世に現れるとされていて、街中、骸骨(がいこつ)の人形が溢れ、お菓子やパンの骸骨も食卓に並びます。また、随所に飾られたマリーゴールドのオレンジ色がとても鮮やかです。そして、メキシコではこの行事が2003年に、ユネスコの無形文化遺産として世界遺産になりました。
 もともと、先住民が行っていた死者をまつる儀式や行事が、スペインの侵略後に、カトリックの死者の日である11月2日の万霊節に融合していったと考えられています。更に、11月1日の万聖節、10月31日のハロウィンも含めて、メキシコでは死者の日が開催されるようになりました。

 そのため、経緯としては、この死者の日は、ハロウィンに近いものと思われます。但し、19世紀にメキシコに移り住んだアイルランド移民の数があまりなかったようです。アメリカ、アルゼンチン、チリ、ブラジルなどがアイルランドからの主な移民先でした。従って、メキシコで見掛けるジャック・オー・ランタンは、アメリカの影響によりものです。

まとめ

 以上より、ケルト文化の残ったアイルランドからの移民によってアメリカとカナダでは、ハロウィンが独自の発展を遂げて、現在のようなスタイルのハロウィンになって盛大にイベントが行われていることが分かりました。
 他方、メキシコはスペイン人の影響で持ち込まれた万霊節が土着の儀式と融合して、現在の死者の日へと発展しました。これに、アメリカからもたらされたハロウィンが少し入り込んでいるようです。
 北アメリカを訪れた際には、ハロウィンがどう楽しまれているのか、見ているのも興味深いのではないでしょうか。


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