フロアベッドに使われている素材にはどういうものがあるのか、という疑問を持つ方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。
日本の住宅は都市部では狭くなっていることが、「日本の住宅・土地-平成25年住宅・土地統計調査の解説」(平成28年2月29日)という総務省の統計からうかがえます。
これによれば、首都圏の住宅は延べ面積が76.43平米で、近畿圏は85.93平米となっていますが、全国平均の94.42平米を下回っています。従って、都市部における住宅は狭いことが分かります。
広い土地の確保が物理的にも、金銭的にも難しいということが背景にあります。
それに伴い、寝室の面積も狭くなっています。更に、賃貸住宅であれば、もっと寝室は狭くなります。
ところで、人生の3分の1は睡眠に当てられているように、非常に長い時間、寝室で過ごすことになります。そのため、深い眠りを享受するためには、快適な環境を整えることが必要となります。
しかし、日本の都市では、寝室が狭いという難点があります。こうなると、部屋の大部分を占めることになるベッドを置くと、圧迫感が感じられるのは当然です。その結果、心地よい眠りの確保が難しくなると考えられます。
そこで、諸問題を解決するものが、フロアベッドと呼ばれるものです。これは、その名の通り、フロアである床とベッドが緊密な状態にあります、つまり、非常にベッドの高さが低くなっているのです。それ故、超低床ベッドとも呼びなわされています。
どのような効果が期待されるかと言えば、ベッドが極めて低いため、天井までの距離が長くなっています。そのため、開放的な空間が確保され、寝室から圧迫感が取り除かれています。これならば、心地よい眠りを手に入れることができ、疲れやストレスも解消されて毎日の生活がいきいきとしたものとなります。
これが、フロアベッドが人気となっている理由なのです。
フロアベッドはとても低い仕様ですが、通常のベッドと同様の構成要素となっています。
フレームとしてヘッドボード、サイドボード、フットボードがあります。それに、フレームとして、マットレスを敷く床板があります。
高さを抑えるために、脚のない仕様のものがほとんどであると言えます。
従って、フロアベッドの構成要素として、フレームが重要であることが分かります。中でも、ベッドの顔とも言えるヘッドボードの存在は無視できません。
それから、マットレスもベッドを構成するものとして大切です。これがないと痛くて眠れません。また、布団を敷くこともあります。
フレームが構成上、重要であるフロアベッドですが、ヘッドボード、サイドボード、フットボードの素材にはさまざまなものがあります。
その代表的なものが木になります。それ以外にも、レザー、アバカという天然繊維、吹きつけ樹脂(木目調、等)、などがあります。多くのものが、自然を感じさせる素材であるので、安らぎを感じることができ、安眠に繋がります。
また、床板は、通気性が求められるため、木製のものが多くなっています。特に、湿気に強い桐製のものが好まれています。
通常のベッドであれば、金属性のパイプが使われているものがありますが、フロアベッドはとても低い仕様であるため、金属性のものはあまり造られていないようです。
しかし、確かにスチール製のものは存在しています。この場合、床板は木製のすのこではなく、メッシュ状のスチールとなっています。更に、ヘッドボードもスチール製です。
やはり、木製よりも金属性のフロアベッドの方が頑丈に出来ています。また、金属素材は、モダンで、近未来的な印象を受けます。
ほとんどのフロアベッドは木製であると言えます。そのため、ベッドの顔であるヘッドボードの加工が容易なためにさまざまなデザインのものがあります。
シンプルでモダンなものとして、板状になっているものです。
そして、使って便利なのが宮付きのヘッドボードです。物を置くための棚や収納が付いている仕様で、目覚まし時計、本、アロマグッズ、スマートフォン、フィギュア、小物などを置くのに重宝します。
また、コンセントが付いていたり、照明が点いていたりするものもありますので、活用の幅がとても広くなっています。コンセントは、スマートフォンを充電したりすることができます。照明は本を読んだり、非常灯として点したりすることができます。
究極的には、木製のヘッドボードをDIYで自分の好きなように改良することも可能です。
以上より、フロアベッドの素材としては、ほとんどの場合が木であると言えます。その他には、レザーやスチールなどがあります。やはり、木が使われていると自然の温もりを感じることができて、とても癒されます。これと、フロアベッドの開放感により、深い眠りを享受することができます。
それでは、いろいろな素材のあるフロアベッドを寝室に置いて、デザイン性もお楽しみください。