フロアベッドは、カビはどうなの? その実態と対策に関して

■フロアベッドは、カビはどうなの? その実態と対策に関して■

▪疑問確認▪

フロアベッドは、汗などでカビが生えることはないの、という疑問を持つ方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。

 

▪避けられない寝汗

日本の夏は、とても高温多湿で過ごしにくいです。更に、ヒートアイランド現象や地球温暖化によって、特に都市部では夏の暑さに拍車が掛けられています。

その結果、夜になっても気温が下がらない熱帯夜が続いています。こうなると、汗をかかずに寝ることはできません。

その暑さを解消するために、エアコンを使うとその潜熱が排気されるので、気温が上昇するという悪循環に陥っているのです。

 

また、このような気象条件とは無関係に、ヒトは寝ている間に汗をかいているのです。その量は200 mLほどであると言われています。

睡眠時の体温の設定温度が起きているときよりも低くなっているので、体温を下げるために、汗をかいています。つまり、生理クーラーの原理を用いて体温を下げています。

 

従って、暑い夏に限らず、寝具には大量の汗が含まれていることになります。この汗に基づく湿気をそのままにしておくと、思わぬ弊害が生じることがあります。

そのため、フロアベッドであっても、それ以外のベッドであっても、湿気対策が大切となります。

 

▪カビの弊害

醤油や黒酢など、発酵製品においてカビはとても役立っています。しかし、日常生活においては、カビはアレルギーや食中毒を引き起こす元凶として知られています。

 

カビは、栄養のある高温多湿の環境を好みます。これはまさにベッドで創出されている環境です。ヒトの皮脂などが栄養となり、体温で寝具が温められ、汗による湿気が含まれているのです。

そのため、ベッドはカビが発生する危険性が高い箇所であると言えます。

そして、カビの胞子がアレルゲンとしてアレルギー反応を引き起こすのです。喘息やアトピーなどのアレルギー症状が現れて、苦しい思いをします。

従って、確保カビが生えないようにするためにも、ベッドの湿気対策が急務となっているのです。健康的な睡眠を確保するためには必要なことです。

 

▪フロアベッドというもの

都市部では狭い住宅が普及している日本において、フロアベッドは最近注目を集めています。というのも、非常に低いベッドであるため、天井までの距離をしっかりと確保することができます。

その結果、狭い寝室であっても、窮屈な感じのしない、広々としたスペースが創り出されるのです。

それに伴い、開放感からもたらされるとても心地よい眠りを享受することが可能となります。これにより、フロアベッドが多くの人達を魅了していることも頷けます。

 

▪床板がすのこのフロアベッド

開放感を創るフロアベッドですが、ヒトは睡眠時に汗をかくため、狭小問題は解決されても、カビを誘発する湿気の問題は存在しています。

これを解決するために、フロアベッドの床板は、すのこ状になっている仕様が多くなっています。すのこの隙間から湿気が蒸散していくことで、寝具に含まれる湿気が解消されるのです。

すのこの材としては、湿気に強い桐などが用いられています。

▪フロアベッドの湿気対策

フロアベッドは低いため、床板の空間があまり広くありません。更に、その空間は密閉されて、通気性がよくない可能性があります。

これを克服する方法としては、布団を床板に敷くのではなく、側面に通気孔のあいているマットレスを敷くことが挙げられます。これならば、床板のすのこの隙間からだけではなく、マットレスの脇の通気孔からも湿気が逃げていくことになります。

しかも、比較的広い部屋の中に蒸散されるので、効果的に湿気を逃がしてあげることができます。更に、窓を開けて換気することで、室内に放出された湿気が屋外に出されます。

 

また、フロアベッドに敷いたマットレスをこまめに上げることで、床板に風を当てることで湿気を蒸散されることも有効な湿気対策になります。

そのついでに、マットレスの向きや表裏をローテーションで入れ替えてあげることで、変形などを回避できるため、マットレスの寿命が延びます。

 

▪まとめ

以上より、ヒトが睡眠時に汗をかくため、フロアベッドにカビが生える可能性は高くなっています。そこで、床板がすのこになって、その隙間から湿気が逃げていく構造になっています。そのため、カビが生えにくくなっています。

しかし、非常に低い造りとなっているため、フロアベッドの床板と床で形成される空間は、あまり広くはありません。それ故、すのこの隙間から蒸散した湿気が滞ってしまう危惧があり、その結果、健康によくないカビが生えてしまうかもしれません。

そこで、側面に通気孔のあいたマットレスを使用するとともに、こまめにマットレスを上げて床板やその下のスペースに風を当てて湿気を飛ばすことが大事になります。

それでは、マットレスなどを巧みに用いてフロアベッドによる快適な睡眠をお楽しみください。


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