最近、特に注目を集めているベッドとしてフロアベッドがあります。その名にフロアという言葉があるように、床と一体化しているように見受けられます。そのため、超低床ベッドとも呼ばれることがあります。
床と一体化ということは、フレームには脚がなく、サイドボード、フットボード、ヘッドボードの側面の下部が床に接しています。
その結果、ベッド自体の高さを抑えることができます。これによりもたらされる効果が絶大なのです。その効果に関して、以下で検証していくことにしましょう。
日本は山の多い島国であるため、平地が少なくなっています。従って、人が多く集まっている都市部になれば、土地があまりなく、狭い場所に住宅を建てています。
そして、狭い土地でも延べ床面積を確保するために、3階建ての戸建てが増えています。また、マンションともなれば延べ床面積は戸建てよりも狭くなります。
そのため、天井の高さも限定的になります。更に、面積のみではなく、建築基準法や条例による高さ制限が天井の高さを規定しています。それでも、戸建てであれば、吹き抜けという工法を取り入れてリビングでは開放的な空間を確保している住宅もあります。
しかしながら、寝室まで吹き抜けになっている住宅は、日本の住宅では極めて少ないと考えられます。
天井の高さが限られている寝室で、威力を発揮するのが、フロアベッドなのです。これならば、どのような天井の高さでも、フロアベッドを置くことで視角的に天井が高く見えます。
というよりも、フロアベッドを置いた寝室は、錯覚的に天井が高く見えるのかもしれません。人には刷り込みということが無意識のうちに行われています。ベッドとは、脚があって腰掛けるのに適した高さを備えたものであるという意識があります。
それ故、このようなベッドと天井との高さが刷り込まれていて、フロアベッドが置かれた状態では、天井が高く感じられるとも言えます。
こうして、フロアベッドを採用した寝室は、天井が高く、とても贅沢な開放感に包まれているのです。圧迫感からの解放は、眠りの導入が早くなるばかりでなく、深い眠りを確保することが可能となります。これにより、日中の仕事や勉強を効率的にこなすことができるのです。
単に超低床であるだけが、フロアベッドの魅力ではありません。デザインも重要な要素なっているのです。
しかし、フロアベッドは高さがないため、デザインを施す領域は限られています。サイドボードの面積はあまり広いとは言いがたいです。そこで、主張する存在は、ベッドの顔となるベッドボードになります。
ベッドボードのデザインには、いろいろな仕様があります。最もシンプルなものは、板のように平らなものです。
そして、多少凝ったものは、宮付きと呼ばれるものではないでしょうか。宮付きとは、棚や収納という物を置くスペースを備えたヘッドボードを備えたものです。
また、素材にも種類があります。木製のものが一般的ですが、レザーやアバカというものなどもあります。
レザーはソファに用いられている素材ですが、これがフロアベッドのヘッドボードに用いられると、とても高級感がかもし出され、開放的であるだけでなく、上質な空間も演出されるのです。
アバカとは、バナナの木の一種の樹皮からなるもので、珍しい素材です。アジアンテイストのコンセプトにマッチします。
超低床のメリットは、天井が高く見えたり、部屋が開放的に見えたりという視角的や心理的なこと以外にも存在します。
その1つが、ベッドの上からの落下事故が起こらないということです。
通常のベッドであれば、それなりの高さがあるため、乳幼児がベッドの上にいる場合、床に落下してしまう事故が起こる可能性があります。そして、実際にそのような事故が起きて、頭などを床に殴打しているのです。
ところが、フロアベッドは床と一体化するほど、高さが低いベッドなので、その上から落下してもそれほど惨事にはならないのです。
つまり、安全性の面でフロアベッドは優れています。
デザインだけではなく、フロアベッドはサイズも豊富に造られています。シングル、セミシングル、ダブル、セミダブル、クイーン、キング、ワイドととても多くなっています。
そのため、部屋の広さに合わせて、フロアベッドのサイズを選ぶことができます。
小さい子どものいるご家庭にもフロアベッドのニーズがあるため、家族で一緒に寝られるワイドサイズは人気となっています。
以上より、フロアベッドは高さがあまりないので、寝室の天井が高く感じられたり、寝室が開放的に感じられたりします。その結果、圧迫感がなくなり、安眠が享受できるのです。また、デザインやサイズがバラエティに富み、多岐に渡るニーズを満足します。
それでは、超低床のフロアベッドを寝室に置いて開放的な空間をお楽しみください。