レザーベッドに使われるレザーはどういうもの？

■レザーベッドに使われるレザーはどういうもの？

▪疑問確認▪

レザーベッドにはレザーが使われているようだけど、それはどういうものなのか、という疑問を持っている方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。

▪レザーベッドの特徴▪

レザー愛好家の垂涎の的になっているレザーベッドは、高級感の溢れた素材であるレザーをベッド用いることで、上質でモダンな印象を作り出しています。

仕様としては、フレームにレザーの張られている家庭用普通ベッドになります。具体的には、ヘッドボードは基本的に革張りとなっていて、フットボードやサイドボードも製品によっては革張りとなっているものです。そして、マットレスを支える部分など、その他の部分は木製である製品がほとんどです。

レザーの色には、ブラック、ホワイト、アイボリー、ブラウン、レッドなどがあります。ですので、レザーベッドを選ぶ際には、色ももたらす効果も考えて購入してください。

▪レザーの種類▪

レザーには、本革、合成皮革、人工皮革に分類されます。

本革は、本文の動物の皮をなめしたものです。

合成皮革は、表面を本革に似せて作ったもので、布地を基材にして、その上に塗る表面の素材としてポリ塩化ビニルとポリウレタンなど合成樹脂が使われています。

他方、人工皮革は、表面と内部の両方を本革に似せて作ったものです。極細繊維からなる3次元構造を持つ不織布を基材にして合成樹脂を絡ませ、ポリウレタンなどの合成樹脂が表面に施されています。

また、靴甲用人工皮革のJIS規格であるK 6601において、靴甲用人工皮革の定義として、高分子物質を繊維層に浸透させ，革の組織構造に準拠して造られたもので，高分子物質は連続微細多孔構造を持ち，繊維層にランダム三次元立体構造をもつ靴の甲材料をいう、となっています。

それから、日本においては、レザーには本革、合成皮革、人工皮革も含まれていますが、海外においては、合成の素材にleatherという表記はできなくなっているようです。そのため、ISO 17131:2012という革とその他の素材の区別に関する規格では、synthetic materialというようにleatherと区別されています。

そして、レザーベッドで使われているレザーの種類は、レザーソファで使われているものとだいだい同じになります。つまり、本革と合成皮革になります。

▪本革仕様に関して▪

動物の皮をなめしたものです。ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、シカ、カンガルー、ワニ、ヘビ、トカゲなどの革が存在します。

本革は、柔らかい風合いを持ちながらも、伸縮性があるために強度に優れていてとても丈夫です。生理的な機能を有する動物の皮そのものですから、保湿性と通気性の点でも問題はありません。なかでも、銀面と呼ばれるウシの表皮にある乳頭層を残して加工した銀付き革は、最高級のものとされています。

このように様々な利点を持つ天然皮革は、材料の確保、加工の手間、使用する面積を考慮すると、合成皮革に比べるとどうしても高価にならざるを得ません。

▪PVC仕様に関して▪

ビニルクロライド（vinyl chloride）をモノマーとする付加重合反応で合成されてできたものが、ポリビニルクロライド（polyvinyl chloride、PVC）樹脂になります。このPVCは、熱を加えると柔らかくなる熱可塑性を備えています。その柔らかくなる温度を軟化点と言いますが、PVCでは92.0ºCとなっています。

また、塩素を有しているために汎用プラスチックの中では例外的に難燃性を示します。そして、引っ張り強さや加重に対する耐性にも優れているので変形しにくく耐久性に富むため、内装や外装の建材などに使用されています。更には、耐油性や耐薬品性に優れているので排水や下水パイプに使われます。すなわち、水にも強いということです。

添加剤を加えることで弾力性や軟質性を増した軟質ビニルクロライド製品は、皮革のようなしなやかさを持つことができます。軟質ビニルクロライド製品は長期間使っていると、添加剤が表面に染み出すことがあるようです。

このような特性を持つPVCですが、加工技術によって本物の皮革が風合いを備えています。但し、汚れにくい反面、通気性はあまりよくないようです。そのため、汗でべとつくことがあります。

▪PU仕様に関して▪

イソシアネート基と水酸基を有する化合物をモノマーとする共重付加重合反応で合成されてできたものが、ポリウレタン（polyurethane、PU）樹脂になります。ウレタン結合（-NHCO-O-）を有しているので、この名称があります。このPUは、熱可塑性を備えていますが、軟化点は重合に用いるモノマーの種類によって異なります。

天然ゴムの代替品として開発されたため、弾力性、柔軟性、引っ張り強さに優れています。そのため、ソファにも使用されています。そして、比較的通気性はあるようです。耐油性や耐薬品性を備えているので、汚れにくく、また撥水性を持つという特徴があります。しかし、徐々に水分で劣化していくことがあるようです。

▪まとめ

以上より、レザーベッドに用いられるレザーには、本革と合成皮革があることが分かりました。本革は、動物の皮をなめしたもので、丈夫で柔らかい風合いを持ちますが、価格が高くなってしまいます。

そのため、リーズナブルなものとして、合成皮革のレザーベッドがおすすめになります。それでも、合成皮革も本革に決して劣るものではありません。合成皮革として、PVCとPUの製品がありますが、PVC製の方が流通しているようです。

それでは、高級感のあるレザーベッドで、シックな生活を手に入れてください。

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