レザーベッドに使われるPUとは
■レザーベッドに使われるPUとは
▪疑問確認▪
PUレザーという本革ではないものがレザーベッドに使われているが、詳しくはどういうものなのか、という疑問を持っている方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。
▪本革以外のレザーベッド▪
レザーベッドは、ヘッドボード、フットボード、サイドフレームに革を張った家庭用普通ベッドになります。革ですので本来は本革が使われている製品ですが、高級感を醸し出す本革自体がとても高価な素材であるため、比較的安価な合成皮革が用いられたレザーベッドが流通している中で主流となっています。
しかしながら、合成皮革とはいっても、精巧に本革の持つ風合いや肌触りを再現したものです。そして、視覚的にも、本革と変わらないものですので、レザーベッドを寝室に置く理由の1つと考えられる存在感や上質感は、全く失われていません。
つまり、合成皮革を用いたレザーベッドであっても、シックで現代的な空間を作り出すことは可能なのです。そして、部屋だけではなく、持ち主の感性も結果的にワンランク上に引き上げる効果を示すことと思われます。
▪ PUについて▪
現在、製造販売されているレザーベッドで合成皮革が用いられているものの多くに、PVCレザー、もしくは、PUレザーが使われています。
今回は、PUに関する記事ですので、PVCの記事は別稿に譲ることにして、PUに関して理解を深めていきたいと思います。
PUとは、polyurethaneの頭文字を取ったもので、ポリウレタンのことです。重合によって得られる樹脂ですが、ウレタンというモノマーは存在しません。ポリとはたくさんという意味の接頭語で、ウレタン結合(-NHCO-O-)がたくさんあるということを意味しています。
水酸基を2つ以上持ついわゆるアルコールと、イソシアネート基を2つ以上持ついわゆるイソシアネートが発熱反応を起こして共重合してできたものが、ポリウレタン樹脂になります。PUの化学式は、(-CONH-R1-NHCO-O-R2-O-)nで表されます。
弾性、引っ張り強度、耐摩擦性、耐油性、耐薬品性、耐候性が優れています。逆に、耐熱性、耐水性はやや劣っているようで、熱や紫外線などで徐々に劣化していくようです。
PUは、成形時に発泡させたウレタンフォームと発泡させない非フォームに区分することができます。発泡剤を混ぜて重合させたのがウレタンフォームです。更に、ウレタンフォームは、硬質と軟質に分けられます。
硬質ウレタンは、断熱材として使われるので、温暖化対策のような環境貢献のためにニーズが高まっています。
非フォームは、エラストマー(ゴム弾性)、人工皮革、合成皮革、塗料などの用途があり、幅広い分野で利用されています。
歴史的には、1937年にOtto Bayer教授 (1902-1982)によってPUは開発されました。そして、1937年にドイツのIGファルベン社が初めて工業的に実用しました。第2次世界大戦中、ドイツ軍の軍靴の靴底においてゴムの代わりとして実用化されました。また、この大戦中、航空機から防水服まであらゆる製品のコーティングに関してPUの応用研究がなされました。
富士経済によれば、ポリウレタン製品の世界市場において、2015年の見込みとして、
ウレタンフォームは5兆7,970億円、非フォームは2兆7,227億円という売り上げが算出されています。このように、ポリウレタンは、大きな市場が形成されているのです。更に、断熱材と塗料向けのポリウレタンによって市場が拡大していくと予想されています。
▪ PUレザーについて▪
PUレザーは布地を基材にして、本革の風合いや見た目と同じになるような加工を施して、表面をポリウレタン樹脂でコーティングした合成皮革になります。
なめしなどの加工に手間と時間を要する本革に比べれば、化学合成で作り出したPUレザーは、値段的にとても安くなります。
また、弾力性、柔軟性に優れていますので、ヘッドボードに持たれた際には心地良さを感じます。そして、撥水性があるので、汚れにくいという特徴を持っています。
しかしながら、本革に比べると、劣化などで傷んでしまう可能性が高いようです。そのトレードオフが、低価格となっているのです。
このように、PUレザーはお手頃な価格となっていますが、本革と変わりない見た目と風合いを持っている合成皮革であるということが理解できたと思います。
▪ PUレザーのメンテナンス▪
PUレザーは、水に比較的弱い素材ですので、柔らかい布で乾拭きを心掛けてください。乾拭きでも汚れが取れない場合、市販の合皮専用のクリーナーを使うとよいでしょう。
熱、湿気、直射日光を避けることで、劣化が避けられます。
▪まとめ▪
以上より、レザーベッドに使われるPUは、本革に見た目と風合いを似せた合成皮革であることが分かりました。化学合成であるため、天然の本革に比べて、PUレザーは価格がリーズナブルとなり、多くの方に購入していただけるようになっています。しかし、本革製に比較してまったく遜色のないものです。
PUレザーのメンテナンスは、水分を嫌う素材なので、乾拭きで行ってください。それでも、汚れが落ちなければ、PUに対応した専用のクリーナーを用いて汚れを落とせばよいです。また、劣化を防ぐためにも、熱、水分、紫外線は避けるようにするのが賢明です。
それでは、PUレザーの張られたベッドでの快適な安眠をお楽しみください。
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