レザーベッドに使われるPVCとは
■レザーベッドに使われるPVCとは
▪疑問確認▪
PVCレザーという本革ではないものがレザーベッドに使われているが、詳しくはどういうものなのか、という疑問を持っている方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。
▪本革以外のレザーベッド▪
レザーベッドは、ヘッドボード、フットボード、サイドフレームが革張りになっています。しかし、レザーといっても、本革だけではなく、合成皮革も使われています。この合成皮革は、本革が高価な素材であるため、その代替品として化学的に本革に似せて合成されたものです。そのため、安価に製品を提供することが可能となっているのです。
それでも、合成皮革は、科学技術を尽くして、見た目だけではなく、本革の風合いや肌触りも再現しており、決して本革にそれほど劣るものではありません。ですので、合成皮革の使われているレザーベッドも、安心してお使いになることができます。つまり、レザーベッドの持つ高級感や上質感が寝室において十二分に醸し出されるのです。
▪ PVCについて▪
レザーベッドに用いられている合成皮革には、おおまかにPVCレザーとPUレザーという種類に区分されます。
今回は、PVCに関する記事ですので、PUの記事は別稿に譲ることにして、PVCに関して理解を深めていきたいと思います。
PVCとは、polyvinyl chlorideの頭文字を取ったもので、ポリビニルクロライド、ないしは、ポリ塩化ビニルのことです。ビニルクロライドをモノマーとする重合付加反応によって合成されたのがPVCになります。PVCの化学式は(-CH2-CHCl-)nで表されます。
熱を加えると軟らくなるという熱可塑性を持つ樹脂で、その温度である軟化点は92.0ºCです。塩素原子を含むために難燃性を示します。他にも耐薬品性、耐久性、耐摩擦性、耐傷付性などの優れた性質を有しています。
また、添加剤を加えることで硬度を調整することで、硬質と軟質の両方の形状を取ることができ、成形性も良好です。そのため、多くの建材、パイプ、フィルムなどにPVCが使用されています。
歴史的には、日本における工業化は、1941年に日本窒素肥料がアセチレン法によって初めて開始しました。1997年には国内生産が261万トンにまで及びましたが、PVC廃棄物の焼却によりダイオキシンが発生することから、次第に生産量が減っていきました。
また、現在、PVCを含む製品は可燃ごみではなく、廃棄プラスチックとして一般家庭において処理されていて、リサイクル法の制定後にはリサイクルされるようになっています。そして、PVCに添加される可塑に関しても、内分泌系への影響がほとんどないことが分かってきました。
更には、他の素材への転換が困難である場合があったり、温暖化対策のような環境貢献のために樹脂サッシなどのニーズが高まったりして、PVCの生産減少は改善されつつあるようです。
▪ PVCレザーについて▪
PVCレザーは、布地を基材にして、本革の持つ風合いを再現するように、表面にPVCをコーティングして加工した合成皮革です。
PVCは成形が容易で、発色もよいため、多くの種類のPVCレザーを安価に作り出すことが可能となっています。撥水性に優れているので、汚れにくいという長所があります。
通気性はあまりよくないために汗でべとつくことがあり、化成品に見られる経年劣化を起こす可能性もあります。更に、熱や直射日光によって変化を引き起こされるリスクもあります。
それから、軟質塩化ビニル製品に関して、多くの製品に対してJIS規格が規定されていますが、PVCレザーのJIS規格は存在していないようです。
このように、PVCレザーは、安価に製造することができて、本革の風合いを備えた合成皮革であることが分かりました。
▪ PVCレザーのメンテナンス▪
PVCレザーは、柔らかい布で乾拭きを基本としてください。乾拭きでは取れない汚れは、中性洗剤を薄めて拭き取るようにし、それでも落ちないときは、市販の合皮専用のクリーナーを使用してみてください。その際、アルコールなどの有機溶剤で拭くと表面が溶けてしまいます。
特にホワイトのPVCレザーにおいては、新聞紙や印刷物を接触させると、レザーに色が移ることがあるかもしれません。
エアコンの吹き出し口や暖房器具の近くに置くと熱でPVCが変形を起こしたり、直射日光を当てると紫外線などの光線によりPVCが劣化を起こしたりしますので、注意が必要です。
また、廃棄する際には、粗大ごみとして自治体に引き取ってもらう分には問題はありませんが、解体して廃棄する場合、PVCレザーの部分は可燃ごみではなく、廃棄プラスチックとして処分してください。念のため、自治体のゴミ出しの規則を確認することをおすすめします。
▪まとめ▪
以上より、レザーベッドに使われるPVCは合成皮革の一種で、形成や染色に優れているために製品価格は安く抑えられます。しかし、風合いは本革と変わらない仕上げとなっていますので、革製品の持つ高級感は損なわれていません。そのため、シックでモダンな雰囲気を寝室にもたらすことができます。
メンテナンスは、乾拭きが基本で、それでも汚れがとれない場合は、薄めた中性洗剤や合皮専用のクリーナーを使って汚れを落としてください。
それでは、PVCレザーの張られたベッドでの生活をお楽しみください。
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