ソファーベッドが誕生した背景を探ることから始めたいとも思います。
生活スタイルが以前と比べれば、変わってきています。つまり、ライフスタイルの西洋化が挙げられます。床に座る生活から床に直に座らないように移行していているのです。
椅子、テーブル、ベッドという家具が使われるようになっています。これらの家具を使うには、かつて当たり前のように使われていた畳の上に置いて使えないこともないですが、椅子の滑りがあまりよくなく畳が傷むことがあり、また、テーブルやベッドの重みで脚によって畳が凹んでしまう可能性があります。
畳が持つこのようなデメリットを解決する床材として、フローリングが最近、好んで用いられています。木材であるため、堅くて滑りがよくなっています。
従って、摩擦が軽減されて椅子の脚の動きが滑らかになり、また、テーブルやベッドの脚も下からきちんと支えられます。
これが、フローリングが床材として好まれている理由となっています。また、畳に比べて格段に掃除やメンテナンスが容易になっていることも愛用される理由となっています。
また、別の背景として、国土における平坦地が限られていることがあります。住宅を建てるのに適した土地が少ないことは、必然的に建てられる住宅の延べ床面積が小さくなります。とりわけ、戸建てよりも、賃貸のアパートやマンションの方が事態は深刻です。
その結果、各部屋の面積も狭くならざるを得ません。すると、このように狭小な部屋に家具を置くと圧迫感を感じてしまうことになるだけでなく、実際、機動性がよくなくなって動くのがやや困難になります。
このような物理的な要請が、ソファーベッドの誕生を促していることが示唆されます。
狭い部屋に家具を置くと更に狭くなってしまいます。特に大きな家具は、ある意味、かさばって邪魔になります。その代表的な大型家具が、ソファー、および、ベッドが思い浮かびます。
1人暮らしの人たちが多く住んでいるワンルームの賃貸物件ともなると、ソファーとベッドを両方置くととても狭くなってしまいます。場合によっては、部屋に同時に収まらないことも考えられます。
しかしながら、ソファーに座りたいというニーズ、並びに、ベッドで寝たいというニーズは存在するわけです。
このジレンマを解消する方策が求められることになりますが、実のところ、それを解決する家具が開発されています。
狭小な部屋でも、ソファーとベッドを利用できる方法として、表題からも察せられるように、ソファーベッドが提案されます。
このソファーベッドは、目が覚めているときはソファーとして利用して、寝るときにはベッドとして利用するという家具です。
このように、ソファーベッドは、キメラのようなものとして認識されます。キメラとは、ギリシャ神話に登場するキマイラという動物に由来しています。キマイラは頭がライオン、胴がヤギ、尾がヘビから成る怪獣です。
キメラは、それぞれの特徴を1つの個体の中で備えていることになります。従って、ソファーベッドは、ソファーとベッドというキメラとして捉えることができます。
ソファーの状態とベッドの状態を相互に変換させる機構には、リクライニング式、カウチタイプ、三つ折り式があります。
それぞれの機構の仕組みに関しては、別のところで改めて説明させていただきます。
問題となっている狭い部屋にソファーとベッドを共存させて使用するという課題は、ソファーベッドを用いることで解決されます。
本来ならば2つ分の家具を置くスペースが必要なところを、ソファーベッドを採用することで1つ分の家具が占める面積と空間で済むことになります。
従って、ソファーベッドは空間利用において省スペース化が実行されるため、狭い部屋でも置いて利用することができるのです。
ソファーベッドを活用することで得られる効果としては、ソファーとベッドを取り入れることができるだけではなく、圧迫感や狭小感を抱かなくなることでリラックスすることが可能となります。
それ故、ソファーとして利用するときにも、ストレスなく座ることができます。そして、ベッドとして利用するときにも、深い眠りによる安眠が得られるのです。
故に、賃貸住宅のような狭い部屋に住んでいる際には、ソファーベッドがおすすめとなります。
以上より、ソファーベッドは、狭小スペースを効率的に利用するために、必要に応じて、あるときはソファー、またあるときは、ベッドにもなるというキメラ家具です。
つまり、ソファーとベッドをそれぞれ置かなければいけないスペースが1つ分の家具のスペースが占有されるだけで済むのです。そのため、ワンルームのような特に狭い賃貸住宅で威力を発揮します。
それでは、キメラであるソファーベッドを活用して、狭い部屋でも心穏やかな時間と空間をお楽しみください。
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