椅子の脚の跡をコルクマットにつけたくないです
■椅子の脚の跡をコルクマットにつけたくないです■
▪お悩み確認▪
コルクマットに椅子の脚の跡が付くことが我慢できない、というお悩みを持った方がいらっしゃるようですので、その悩みを解消したいと思います。
▪フローリングという木製床材▪
日本の住宅は、ライフスタイルが西洋化していること、および、メンテナンスの容易さから、床材としてフローリングが用いられていることがほとんどになっています。また、意外とメンテナンスに手間が掛かる畳のある住宅は、新築ともなるととても珍しいものとなり、あっても琉球畳のような和室が設けられているのが現実です。
特に、賃貸住宅では、原状回復の容易さから、かつてのカーペットからフローリングに床材がシフトしてきています。
住宅におけるフローリングへの傾倒の背景にある西洋的な生活様式とは、椅子、テーブル、ソファ、ベッドなどの西洋家具が広く用いられることにあります。また、畳の代替品としてフローリングが使われています。
▪椅子の脚による床の擦り傷▪
フローリングは、掃除などのメンテナンスがとても楽ですが、その反面、デメリットもあります。
堅いために、傷が付きやすいという欠点です。莫大な費用を掛けて建てたばかりの新築住宅では、フローリングに傷が付くことに、神経を尖らせている人も少なくないと思われます。
従って、フローリングに傷がつくことのないような対策を講じる必要があります。この目的を達成するべく、コルクマットが活用されています。
▪コルクマットという敷物▪
フローリングの普及に伴って、同じように浸透してきたものにコルクマットがあります。
広く普及しているコルクマットは、軟らかい樹脂であるEVAのシートにコルクが貼ってあるジョイント式のものとなっています。
そのため、クッション性があるとともに、物理的な障壁として、フローリングに直に物が接触して傷を付けることを防ぐことができます。
また、冬のフローリングの冷たさを遮断して足元を温かく保ったり、滑り易いフローリングに敷くことで滑り止めの役目や滑ることによる転倒の事故防止になったりします。
このようなメリットを持つため、コルクマットは、フローリングの普及によってとてもよく売れているのです。
▪EVAは細いものによる荷重が苦手▪
コルクマットは優れた機能性を持つ敷物ですが、短所も持っています。それが、細いものが長期に渡ってコルクマットに荷重を与えると凹んでしまうということです。
すなわち、椅子の脚のように細いものがコルクマットの同じ箇所にずっとあると、その部分は凹んでいきます。そして、椅子は移動することがあるので、凹みがコルクマットに幾つもできてしまうことになります。
こうなると、フローリングの傷を防ぐためのコルクマットに傷が付くという新たなストレスを生じることになります。
そこで、このストレスに耐えられない場合、その対策を講じる必要があります。
▪脚にカバーを付けての設置面積の拡大▪
圧力は、重さが加わる面積が大きくなればなるほど小さくなります。そこで、椅子の脚の先端部分の面積を広くしてあげることで、コルクマットに加わる重力を拡散することでできます。
これにより、コルクマットに加わる圧力が低減することができ、凹みの度合いが浅くなるか、全く凹まなくなることが予想されます。
ソファの脚の裏に付けるものは比較的面積がありますので、これを転用して椅子の足の裏に付けるという凹み解決策が考えられます。
この場合、これが外れていないことを常時確認することが求められます。
▪椅子を使う領域のコルクマットの上に補強板のようなもの▪
椅子の脚に取り付けるのに適当なカバーが入手できなかったとしても代替案があります。
つまり、タイルカーペットをコルクマットの上に敷くということも提案できます。
例えば、ダイニングテーブルのセットを用いる際、テーブルの脚の部分はコルクマットを切り取って、フローリングと直に接するようにすることでテーブルの凹み問題は解消されます。他方、椅子に関しては、コルクと同色系のタイルカーペットを用いることで、移動する椅子の凹み問題は解決します。
▪キャスターに対する対応▪
フローリングの上にキャスターが転がったり、滑ったりするのと傷が付くことは避けられません。そこで、キャスターという機動性の高くて床と常時接触しているものが脚に付いている椅子を使用する場合、コルクマットよりもクッションフロアが適していると考えられます。
というのも、クッションフロアは厚さがないため、凹みに対して問題はありません。しかし、この場合、コルクマットの持つクッション性、防音性、断熱性という長所を捨ててしまうことになります。
従って、キャスター付きの椅子を使うところだけクッションフロアを用いて、それ以外のところはコルクマットにするという方法も取り得ることできます。
▪まとめ▪
以上より、フローリングに椅子の脚の凹みができないようにするには、幾つかの方法があります。
脚の裏にやや面積のあるものを付けてコルクマットへの圧力を低減すること、コルクマットの上にタイルカーペットを敷いて補強すること、などが挙げられます。
これにより、コルクマットの良さを取り入れながらも、椅子の脚の凹み問題も解消することが可能であると考えられます。
それでは、椅子の脚先に工夫を施してコルクマットが凹むことのないようにすることで、精神的な負担のない毎日をお過ごしください。
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