仕事上、どうしても炎天下や夏場の密室などというとても暑い作業環境で働かなければならないことがあるものです。
例えば、溶接、鍛冶、鋳物、ガラス細工のような熱源を前にする作業、更に、ボイラー室、倉庫、工場、工事現場などという熱が滞る場所での作業が挙げられ、暑さによって体調の異変をきたすことがあります。特に、熱中症という症状が起こり、最悪の場合には命を落とすこともあります。
そのため、人命に関わりかねない事態に対して何かしらの対策を講じなければいけません。それから、従業員が暑さによって変調を起こした場合、会社が従業員に対して安全配慮義務を怠ったとして責任を問われる可能性もあります。労働契約法第5条がその拠り所になります。
酷暑という環境で発生する熱中症は、高温多湿な状況に置かれることで体温が上昇したり、汗を大量にかいたりした結果、発生します。
すなわち、水や塩分のようなミネラルが過剰に不足したり、脳神経系が高温で正常に機能したりして、体内の調節機構が機能しなくなることでさまざまな障害が生じます。これを総称して熱中症と呼んでいます。
具体的な症状としては、めまい、失神、頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣、体温上昇などが見られます。
軽度から重度までの症状の違いがありますが、意識障害や痙攣というレベルの症状が起こると命を落とすこともあるため、とても注意が必要です。
厚生労働省が平成27年における「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」というものを発表しています。
それによれば、熱中症による死傷者数の推移として、平成17年は190人、平成18年は269人、平成19年は378人、平成20年は280人、平成21年は150人、平成22年は656人、平成23年は422人、平成24年は440人、平成25年は530人、平成26年は423人でした。
そのうち、熱中症による死亡者数の推移として、平成17年は23人、平成18年は17人、平成19年は18、平成20年は17人、平成21年は8人、平成22年は47人、平成23年は18人、平成24年は21人、平成25年は30人、平成26年は12人でした。
とりわけ、建設業と製造業と警備業で熱中症による死亡事故が多く発生しています。
そして、熱中症が発生している時期は、ほとんど7月と8月という夏場がほとんどとなっています。
このように、実際の数値からも熱中症が起こらないように対策をする必要があることが理解されます。
熱中症が発生してしまった場合、早急な対応が求められます。
「環境省熱中症環境保健マニュアル(2014年3月改訂版)」には以下のように対処方法が明記されています。
まず、意識があるかどうかを確認します。そして、意識がなければ、救急車を呼んで、救急車が来るまでに涼しい場所に運んで、服を緩めて体温を下げる措置を取ります。救急車が着いたら、熱中症が発生した際の状況を伝えてください。
一方、意識がある場合、涼しい場所に運んで、服を緩めて体温を下げるようにします。そして、水分や塩分の入った飲料を摂取して、症状や気分が改善するようでしたら、もう暫く安静を保ってから家に帰るようにします。それでも、改善しないようでしたら、医療機関に掛かることになります。
熱中症になったら、そのままに放置することなく、適切な対応を行うようにすることが大切になります。
最近、メディアにも取り上げられて注目を集めているものが、空調服、ないしは、ファン付き作業着という製品です。
腰の部分に外気を取り入れて服の内部中にその空気を循環させて外に放出します。その際、暑さで発汗した水分が風に当たって気化します。この気化熱が奪われるという現象により、体表面の熱が奪われて体温が下げられるのです。
このような効果によって涼しく過ごすことができるため、空調服は工事現場で特に人気となっています。
生理クーラーという汗の気化熱を利用した作用により、空調服は体表面の温度を下げます。そして、体循環している血液の温度も下げられ、全身の体温上昇を防ぐことができるのです。
従って、高温多湿の環境下で起こる熱中症の発生を空調服は未然に防ぐことが可能となっています。それ故、多くの企業で既に空調服が導入されているのです。
エアコン、というよりも、クーラーという家電製品が開発される以前、夏場における事務所はとても暑く、作業にならなかったと聞きます。とはいうものの、35ºCを越える日がそれほどなかったとも考えられます。
現在、地球温暖化で全世界が暑くなっているようです。パリのような昔の建物を大事に使っている都市では、エアコンが付いていないことが多くなっています。その結果、夏場に温度がとても上がる日は、暑さが耐えられなくなるそうです。
エアコンや空中服の有り難みが実感されます。
以上より、高温多湿の環境で作業をすると熱中症になります。その症状として、めまい、頭痛、吐き気、意識障害、痙攣などが挙げられます。時には命を落とすこともあるので、決して侮ることはできません。
熱中症になった場合、まず意識の有無を確かめて、無意識ならば救急車を呼んで涼しい場所に移し、服を緩めて体を冷やして、救急車を待ちます。意識があれば涼しい場所に移して服を緩めて体を冷やし。水分や塩分を摂取します。
生理クーラーという仕組みを利用して空調服は、熱中症の予防に適しています。
それでは、空調服を導入して、極暑での熱中症の起こることを未然に防いで、快適な作業を心掛けてください。
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