大阪の茶室での春の月
春は霞のせいで、月も朧な感じがします。
またそのような月も趣があるものです。
物思いに耽ってしまいますね。
以下のような趣向でお茶を楽しみました。

寄付待合
短冊 「夕月夜花びらよりもかろげなる しら波がくる岩をわれゆく」 与謝野晶子筆
本席
軸 「暮るゝ夜のかすみにふかき山の端を しらせていつる春の月影」
「庭のおも夜さゑるのもうたた寝に すだれすずしき月ぞ見るかな」
「よひのまのひかりにも似ぬあはれかな 人さだまりてむかふ月かげ」
「空はなほ雲けのなかのおぼろにて 庭にさやけき月の影かな」 野崎幻庵筆
花 立浪草
花生 大聖寺伊万里
敷板 黄金壇薄板
香合 赤楽梟 大野鈍阿造
釜 万代屋釜 高橋敬典造
炉縁 掻合塗
風炉先 更紗(バティック) 紺々堂製
棚 更好棚 可映作
茶碗 朱窯変総釉黒楽 草楽印 了入造
茶入 古瀬戸椿手肩衝
仕覆 時代
茶杓 孤月 「高高峯頂上 四顧極無邊 獨坐無人知 弧月照寒泉 泉中且無月 月自在青天 吟此一曲歌」 西山松之助造
水指 薩摩焼 藤に菖蒲
薄器 透絵遠山中棗 中村湖彩造
蓋置 赤楽三つ葉 宗入造
建水 唐銅フエゴ 金谷淨雲造
水次 腰黒薬缶 古宇小品堂製
主菓子 藤 福壽堂秀信製(大阪)
菓子器 一閑縁高 安本表雲斎造

茶碗 赤楽 火前印 了入造
薄器 透絵遠山中棗 中村湖彩造
茶杓 閑日月 「胸中有閑日月」 成瀬宗巨造
干菓子 蝶 菜の花 河藤(大阪)
干菓子器 四方盆 煌又造
それでは、皆様も観月をお楽しみください。