大阪の茶室で迎える年の瀬
今年の残りわずかとなりました。
埋火とは、灰の中に火のついた炭を埋めて夜も火を消さずに翌日に持ち越して火種とすること、もしくは、その炭火のことです。
冬の季語になっています。
大晦日の夜には、この状態で火を前年から翌年に引き継ぐことが行われます。
昨今では茶の湯だけではなく、一般的に炭を使う機会が少なくなりましたが、このような風情を楽しみたいものです。
鎌倉文士の一人である立原正秋も、『埋火』という小説を書いています。
以下のような趣向でお茶を楽しみました。
寄付待合
軸 雪景山水図 小松原翠渓筆
本席
軸 看〃臘月尽 小堀卓巌老師筆
花 赤西王母椿
花生 旅枕花入 楽斎造
香合 赤楽梟香合 鈍阿造
釜 万代屋釜 敬典造
炉縁 掻合塗
風炉先 更紗(バティック) 紺々堂製
棚 玄々斎好 更好棚 可映造
水指 李朝初期黒釉水指
茶碗 赤楽 火前印 了入造
茶入 備前火襷肩衝茶入 陶蔵造
仕覆 利休梅緞子 龍村織仕立
茶杓 鉄牛 狩野常信造
蓋置 雪笹蓋置 芳哉造
建水 唐銅フエゴ 淨雲造
水次 腰黒薬缶 古宇小品堂製
主菓子 雪まろげ 菊屋製(大阪)
菓子器 一閑縁高 表雲斎造
御茶 鵬雲斎大宗匠好 慶知の昔 小山園詰
茶碗 螺鈿耀鋳掛茶碗 雪洞 鈴木明造
薄器 雪月花蒔絵中棗 秀穂造
茶杓 埋火 「年くるる有明の空の月影にほのかに残る宵の埋火(小堀篷雪)」 二代瓢阿造
干菓子 雪輪 葛屋 河藤製(大阪)
干菓子器 四方盆 煌又造
皆様もよい年の瀬をお過ごしください。