手軽にできる懐石の試行的な実践
スーパーマーケットで揃う安価な食材を用いて、手間を掛けないで懐石のようなものを供することができれば、炭なしの電熱でも、ミニ懐石と続き薄茶のセット茶会でかなり楽しむことができるのではないかと考えられます。
向付は、鯛を買ってきて昆布締めにして、鮪と一緒に盛りつけにこだわらずに出すことにしました。
煮物椀は、しんじょうを作ることが参入障壁となっているように感じます。
そこで、出来合いの練り物と出汁をそのまま用いることにしました。
汁と煮物と向付と焼き物という一汁三菜を基本型として、更に、海のものと山のものという八寸を加えたもので試行してみました。
簡略化を図るため、焼き物と八寸は、それぞれ予め折敷の上の一皿に載せておきました。
千利休は鶉の焼き物を出しているので、焼き鳥でもいいと推察されます。
以下のようなもので、お茶を楽しみました。
汁 白味噌 胡麻豆腐
向付 鯛昆布締 鮪
向付器 染付皿
醤油皿 染付皿
煮物 豆乳揚げだし
焼物 つくね
八寸 甘海老 黒花豆
焼物・八寸器 九谷焼皿
酒器 土耳古青徳利 芦田直人造
酒杯 松蒔絵朱塗杯
花 桔梗
花生 伊賀焼 蹲 鈍阿造
敷板 黄金壇薄板
主菓子 夏ひさご 薫々堂製(大阪)
菓子器 御本雲鶴 五代六兵衛造
これだけのものでしたが、お腹がいっぱいになりました。
メインディッシュである煮物椀をもっと上等なものにするかが、課題であると考えられます。
点心のお弁当でもよいと思われますが、本式の正午の茶事につながる割稽古としての手抜き料理でもそれなりに楽しめることが分かりました。
皆様も簡単なやり方を開発して、それを教えてください。