かささぎの橋
七夕の時季となり、街中には願い事の書かれた短冊が見られるようになりました。
牽牛と織女が七夕の夜に逢うときに、天の川に架けられた橋を渡ります。
この橋は、鵲(カササギ)が翼を並べてできたものです。
なんともロマンチックな話です。
「鳥鵲填河成橋度織女(烏鵲河を填めて橋を成し、織女を渡らしむ)」『淮南子』に基づいています。
鵲之渡瀬瑠橋迩置久霜乃白気乎見者夜曽更仁来
(かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける)
中納言家持(6番) 『新古今集』冬・620
梅田の橋をかささぎのはしとちぎりていつ迄も我とそなたは女夫(めおと)星
『曾根崎心中』、近松門左衛門
ところで、以下のようなお菓子を食べたりして、お茶を楽しみました。
主菓子 かささぎの橋 末富製
菓子器 一閑縁高 表雲斎造
干菓子 しば舟 森八製(金沢)、ええもん 富久屋製(京都)
干菓子器 四方盆 煌又造
それでは、牽牛と織女に思いを馳せて、七夕の夜の星々を眺めてみてはいかがでしょうか。