露草
ツユクサは、6月から10月にかけて青い花を咲かせる一年草で、都市部の道端でもよく見掛けることができます。
朝に咲いて、その昼には花を閉じてしまう儚さから、その名前を想起させます。
ツユクサの古名はツキクサ(着草)で、摺染(すりぞめ)に使われていました。
更なる別称として、蛍草、月草などがあります。
生薬名は、鴨跖草(おうせきそう)です。
万葉集にも取り挙げられています。
月草之 徙安久 念可母 我念人之 事毛告不来
(月草(つきくさ)の、うつろひやすく思へかも、我が思ふ人の、言(こと)も告げ来ぬ)
『万葉集』、巻第4・583、大伴坂上家之大娘
朝開 夕者消流 鴨頭草乃 可消戀毛 吾者為鴨
(朝(あした)咲き、夕(ゆふへ)は消(け)ぬる、月草(つきくさ)の、消(け)ぬべき恋も、我れはするかも)
『万葉集』、巻第10・2291、詠み人知らず
ところで、以下のようなお菓子を食べたりして、お茶を楽しみました。
主菓子 露草 薫々堂製(大阪)
銘々皿 デルフト焼(18世紀)
それでは、道端に咲く露草を見付けてみてはいかがですか。
但し、午前中しか花を咲かせませんので注意してください。