麩のやき
千利休の時代に使われていたお菓子として、麩のやきがあります。
豊臣秀吉の北野大茶会でも用いられました。
上生菓子と比べると、とてもシンプルな感じがします。
甘蔗糖は、8世紀の奈良時代に鑑真によって日本にもたらされましたが、15世紀には茶の湯のお菓子に使われるようになっていました。
とはいうものの、砂糖は大変貴重なものでした。
そのため、素朴なお菓子がよく茶会で使われていました。
その1つが麩のやきで、利休も実際に茶会で用いていることが知られています。
小麦粉の生地を焼いて味噌を塗るというものでした。
そもそも、お菓子には、その字から推察されるように、果物が使われおり、現在でも上の点前のお菓子には、果物である水菓子が用いられます。
麩のやきには、利休の侘びが体現されているのかもしれません。
ところで、以下のようなお菓子を食べたりして、お茶を楽しみました。
干菓子 麩のやき 亀屋清永製
干菓子器 四方盆 煌又造
皆様も、利休の時代を忍びながら、素朴な味わいを楽しまれてはいかがでしょうか。