梅東風

梅東風(うめごち)、ないしは、東風梅(こちうめ)もこの時季によく用いられる銘です。

単に、東風という場合も多いですが、梅の時季と合わせた表現となっています。

これは菅原道真が詠んだ和歌に因んでいます。

 

菅原道真が左大臣であった藤原時平によって大宰府へ左遷させられることになり、自邸の紅梅殿にある梅の木に以下のような和歌を詠みました。

 

「東風吹かば匂い起こせよ梅の花主なしとて春を忘るな」

「東風吹かば匂い起こせよ梅の花主なしとて春な忘れそ」

 

このように2つのバージョンがあります。

 

前者は『拾遺和歌集』、『大鏡』、『源平盛衰記』などに掲載されています。

そして、後者は『宝物集』、『十訓集』、『古今著聞集』、『平家物語』、『太平記』などに掲載されています。

 

一連の書物の中で最も古いものは『拾遺和歌集』ですので、これがオリジナルと考えられます。

しかし、どちらが正しいかは断定することは難しいと考えられます。

 

梅の開花時期は、九州、四国、南関東では1月、中国地方、関西、中部、北関東では2月、北日本では3月以降となっています。

これは、北風に代わって東風が吹き始める頃と一致して、暖かい風が入り込んでくることによります。

 

近所の梅林に花を愛でに行くのもよい気候になってきました。

是非とも足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

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