葛明祥

葛明祥は、清朝乾隆・嘉慶年間(1736年-1820年)に活躍した宜興窯の陶工ですが、生年と没年は不明となっています。

濃い青の特徴的な流れや濃淡のある海鼠釉の陶器を製作しました。

陽刻方印である「葛明祥造」の印が底にある盆栽の盆や鉢、急須、花瓶、火鉢などが造られています。

多くの作品が日本に輸入され、旧家にはたくさん残っていますが、現在、中国にはあまり残っていないようです。

 

葛明祥・葛源祥の兄弟が、単色を特徴とする鈞窯釉を継承、発展させたものが海鼠釉です。

そのため、「葛明祥造」の他にも、「葛源祥造」の印の押されている作品もあります。

 

盆栽の盆や鉢が作品としては、数がありますが、茶碗はあまりないようです。

時期的に、日本からの注文がなかったことが理由かもしれません。

とはいうものの、煎茶に用いられる急須は造られています。

抹茶でなはなく、煎茶が主流となっていた当時の中国での茶のあり方や流行が反映しているのでしょう。

 

葛明祥の造った海鼠釉の陶器は、茶道具でも使うことができると思われます。

実際には、形状から推して、花生けとして使うのがよいと考えられます。

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