巣籠

巣籠(すごもり)は、この時季に茶杓の銘として使われることがあります。

 

寒さで巣の中に籠もってしまう様を示している言葉です。

これは人の視点からのようで、俳句の季語としては春で、鳥が営巣して卵を産んで雛を育てることを意味しています。

巣隠も同様の言葉ですが、春の季語となっています。

それから、巣籠り鶴香合というものがありますが、尺八で鶴の巣籠もりという曲があって、親鶴が子鶴を育てて巣立っていくことを主題にしていて、これを香合として表したものです。

 

とはいうものの、巣籠の銘がこの時季に使われるのは、茶室という狭い空間に籠もって、主客一同が戸外の寒さから逃れて、炉の暖かさ、お茶の温かさを享受するとともに、主客一同の親交を温めるということではないでしょうか。

 

さすれば、広間では巣籠という感じがしませんので、茶室は広間よりも小間が適していると言えるでしょう。

市中の山居としての茶室は、世の喧噪から隔絶するために籠もるところとも考えられます。

それは、壺中之天なのかもしれません。

 

最近は、連休などの休みに外出しないで家にいることを巣籠と表現するようです。

年末年始の休みを迎えますが、ちょっと出掛けてみませんか。

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