暦手

暦手とは、三嶋明神の三島摺暦によく似た模様をした茶碗で、三島手とも呼ばれます。

かつて、三島暦は旧暦の代表的なもので、三島とは暦を意味していたほどです。

 

三島手とは、高麗茶碗の一種で、高麗末期から李朝初期に造られました。

縄目のような点綴された線状紋、花文という文様を特徴として、鼠色や灰茶色の素地を持っています。

 

実際、暦に刷られた細字の文字模様が、茶碗の細かく連なる象眼と似ています。

また、技法によって三島茶碗には、さまざまな種類があります。

 

その種類としては、花三島、彫三島、刷毛目三島、絵三島、粉引三島、礼賓三島などが知られています。

 

永禄8年(1565年)6月22日津田宗達の茶会記には、「みしま茶碗」という記述があります。

更に、天正2年(1574年)閏11月18日の津田宗及の茶会記には、「こゆミ茶碗」という表記があります。

 

千利休は、「二徳三島」という銘の古三島茶碗を所持しており、現在、三井文庫の所蔵となっています。

 

この時期には日本に渡ってきた三島茶碗が茶人の間で使われていたことが分かります。

それ以来、暦手は茶人の心を捉えてきました。

 

暦を絵柄にした茶碗も国内で造られています。

一年の最後となるこの月に使うのに相応しい茶碗と思われます。

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