お茶の名産地

お茶は中国の雲南省や四川省、インドのアッサムが原産とされていますが、現在、日本各地にお茶の産地があります。

 

最澄が延暦24年(805年)に唐から持ち帰った茶の種を植えたのが日吉茶園で、日本茶発祥の地とされています。

毎年5月、日吉大社では日吉茶園において茶摘祭が行われます。

 

弘仁6年(815年)、嵯峨天皇が近江の韓崎に行幸した際、梵釈寺で大僧都の永忠が茶を煎じて奉ったことが『日本後紀』に記されています。

そして、この行幸の2ヶ月後、茶の木を畿内、丹後、播磨などに植えさせ、献上させるようにしました。

 

やがて、栄西が宋から建久2年(1191年)に持ち帰った茶の種や苗を佐賀県脊振山に植えたのが、茶の栽培の始まりとされています。

その後、明恵上人が栄西から茶の種をもらい、京都の栂尾に植えました。

そして、宇治の地にも明恵上人は茶の木を植えました。

 

虎関師錬が南北朝時代に書いた『異制庭訓往来』には、「我朝名山者以栂尾為第一也 仁和寺、醍醐、宇治、葉室、般若寺、神尾寺、是為輔佐  此外大和室尾、伊賀八島、伊勢八島、駿河清見、武蔵河越茶 皆是天下所皆言也 」とあります。

京都、大和、伊賀、伊勢、駿河、武蔵の寺院や寺領の茶園で茶が栽培されていたことが分かり、全国に茶の栽培が広まっていました。

 

15世紀には、宇治は茶の産地として栂尾とともに有名になっていました。

 

各地で茶の栽培が行われましたが、静岡茶は江戸幕府の御用茶となり、発展をすることになります。

 

明治維新後、茶は輸出品として政府が輸出を奨励しました。

しかし、インドやセイロンの茶に押され、国内消費に活路を見出すようになります。

その結果、日本人が日常的に煎茶として茶を飲むようになりました。

 

お茶は薬としてとても貴重なものでした。

その有り難みを感じながら、喫茶したいと思います。

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