茶室にあるいろいろ種類のある天井
幾つかの茶室に入って見比べてみると、天井の設えも様々なもののあることが分かります。
このように種類があることは、この天井も見せ所になっているということを表しています。
広間よりも小間において天井の工夫が見られるので、茶室という狭い空間に変化を与えたり、広く見せたりするために創意が施されていると考えられます。
平天井、掛け込み天井、落ち天井が天井鑑賞の基本となると思われます。
1室にこの3種の天井様式があれば、真、行、草にそれぞれ、なぞらえられることもあります。
平天井は、一面が平らになっているもので、板や網代を竿縁で支えています。
この場合、床と平行に竿縁を渡すのが基本となっています。
掛け込み天井は、斜めになっているもので、概して、天井板を張らずに屋根裏を見せた状態にするので、化粧屋根裏天井とも言います。
垂木を見せたもので、竹の垂木や小舞で板を支えています。
落ち天井は、平天井よりも一段低く設えるもので、点前座によく見られます。
これは、客の座る場所が平天井であるのに対して、亭主は謙遜して点前座は低くしているのです。
4畳半の盛美庵も平天井、落ち天井、掛け込み天井を設えてみました。
1つの部屋の天井に3つの様式があるとやはり変化が感じられます。