鳴り物
茶の湯の鳴り物は、耳という感覚器官に訴えかける音のシグナルです。
鳴り物に使われるものとして、銅鑼、喚鐘、板木などがあります。
裏千家では、普通、七点鐘で、大小大小中中大となります。
また、客が5人以下の場合は、五点鐘で、大小中中大となります。
また、他の流派では違うように打つようです。
それ以外にも、音を合図して使うことがあります。
障子や襖などの引き戸を閉めるときに、最後にトンと音を立てて席入りの終わったことを亭主に知らせます。
懐石が食べ終わって片付けが済んだ際に、折敷に箸を落として食べ終わったことを亭主に音で知らせます。
蓋置に柄杓を引くときに、音を立てて合を置き、更に、柄を畳に落として音を立てます。
音を立てるのは、小習いまでになります。
末客の吸い切りの音で、濃茶などでは亭主が客付きから勝手付きに回って点前を続けます。
そして、合図ではありませんが、音があります。
摺り足、衣擦れ、茶を点てる音、松籟、風、雨、虫の音、会話など、実にいろいろな音が茶室では聞かれます。
意図的に出る音、無意識に出る音、非人為的に出る音というように、様々な音が茶の湯ではあります。
それらの音を楽しめたら面白いでしょう。