蓋置
蓋置とは、文字通り、釜の蓋を置く道具ですが、それだけの用途ではありません。
合を置いて柄杓を引いたり、陶器製のものは棚に荘られたりします。
素材には様々なものがあります。
唐金、竹、陶器が挙げられます。
もともとは、唐金の皆具の1つとして蓋置は存在しました。
それがやがて、侘び茶の登場とともに竹製の蓋置が使われるようになりました。
また、唐金の蓋置を陶器で写したものが多く造られました。
竹蓋置は、風炉と炉で仕様が異なります。
風炉は天節で節が上にあるものを使います。
炉では中節で節が真ん中よりも少しだけ上にあるものを使います。
吹貫は節がなく、風炉でも炉でも使うことができます。
そして、在判のある竹蓋置は、棚にも用いることができます。
それから、長板二つ置では、竹蓋置で、特に在判のあるものを用います。
また、青竹の蓋置は1度限りの使用となります。
しかしながら、裏千家8代家元一燈より前には、風炉と炉で仕様が異なることはなかったようです。
いつの頃からか、風炉と炉で仕様が異なるようになったかは、定かではないようです。
楽焼の蓋置は、配り物として造られたものが多いようです。
それでも、楽茶碗に引けを取らない技法や釉薬が用いられています。
陶器の蓋置は、実にいろいろな種類があります。
自分の気に入ったものを探し出して使うのも面白いものです。