中置
10月は、流派に関わらず、中置という釜を点前畳の中央に据えて行う点前をすることが多くなされます。
また、細水指という細長い水指を使い、勝手付きに置きます。
小間で行うには狭すぎるため、四畳半以上の広間で行います。
なぜ、釜を中央に据えるのか疑問に思う方も少なくないと思います。
段々と寒くなっていくので、風炉と炉の間に当たる位置に火を持って行って、客に暖まってもらうという説明がしばしばなされます。
この説明でもよいと思われますが、それだけではないようです。
詳細なことは分かりませんが、台子との関わりが背景にはあるようです。
茶の湯の歴史として、台子から長板に移行していき、やがて、長板も省かれました。
そして、風炉の長板一つ置きでは、風炉を中央に据えます。
それから、長板に載るのは、本来、格のあるものと考えられます。
そこで考えられるものとして、名残の趣向として、風炉の最後の月に今までお世話になった釜に敬意を払って中央に据えているのかもしれません。
それ以外の説もあるようです。
五行棚は、中置に使う棚です。
陰陽五行説の木火土金水を表しています。
長板中置の茶通箱がなかなか複雑でした。
どうぞお試しください。