清風万里秋
清風万里秋(せいふうばんりのあき)
秋に相応しい文言で、これも茶席によく掛けられます。
清らかな風が吹いて、どこも秋の情緒で満たされている様です。
また、これは、悟りの境地を表現していて、清々しいその心境を表しているのです。
妄想や執着といった煩悩から解放された状態です。
秋空とは、天高くという形容がなされるように、高く澄み渡っているものです。
そのため、このように形で禅語の中において取り挙げられています。
心を澄ました状態にしたいものです。
この文言の出典は、『五灯全書』、『古尊宿語録』になります。
『古尊宿語録』とは、明代の永楽1年(1403年)に大蔵経の一部を新たに編んだものです。
昨夜一聲鴈、
清風萬里秋。
(昨夜一声ノ雁、
清風萬里ノ秋)
このように対句となっています。
雁が鳴いたことで、秋の深まりを感じ、翌日、それを体感しているのです。
これが、悟りと似ているということです。
そして、『禅林句集』には、「一聲の雁、天下の清秋を報ずる。現成の妙景」と書かれています。
本日は、ハッピーマンデーとなる前の昔ながらの体育の日です。
清風万里秋というように、清々しい運動会日和になったのではないでしょうか。