月点前のウグイスとは

9月は中秋の名月ということで、茶会で月点前が行われることが多いです。

月点前は、裏千家11代の玄々斎によって、卯の花点前、雪点前、花点前とともに考案されたものです。

 

器据に∩形の針金状をしたウグイスを差して立て、それを茶筅の穴に入れて立てるのです。

本来、茶箱は野点でするものですから、風が吹いて茶筅が倒れることがないのです。

 

このウグイスの名前の由来が気になる人も少なからずいるのではないでしょうか。

 

勅撰和歌集の20巻目である『続後拾遺和歌集』の中に、「あかなくに折れるばかりぞ梅の花香をたづねてぞ鶯の鳴く」という歌があります。

この和歌を踏まえて、後水尾天皇の中宮である東福門院が、使用済みの香包みを差しておく香串を鶯と名付けたことに由来すると言われています。

そして、玄々斎が棒状の鶯を曲げて、∩状のウグイスとして月点前で用いたのです。

 

ウグイスを差すための穴の位置を決定して穴を開けるのが難しいです。

一度、過った箇所に穴を開けたら残るからです。

穴の位置は、器据の縦は4分の1、横は中央の位置となるようです。

 

月点前は割と複雑ですが、これが流暢にできれば大したものです。

拝見あり、ができれば、更に大したものです。

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