松籟

茶の湯において、松は茶の湯をシンボル化したものとなっています。

 

松籟(しょうらい)とは、釜の湯が沸騰するときに出る音のことで、松風とも言います。

まさに松の梢を吹き抜ける際に生じる音のようです。

 

鳴り金(なりがね)、煮え金とも呼ばれる金属片が釜の底に漆で付けられており、その間の僅かな隙間によって音が出ています。

また、上等な釜の場合、鳴り金がなくても松籟が聞こえるようです。

 

それから、釜の六音とは、釜の中の湯が煮えるまでの湯相の段階を表現したものです。

魚眼(ぎょがん)、蚯音(きゅういん)、岸波(がんぱ)、遠浪(えんろう)、松風、無音、がそれになります。

 

魚眼とは、魚の目のような泡が生じている状態です。

蚯音とは、ミミズの鳴く音のようにあるかないか分からないような音の出ている状態です。

岸波とは、岸に波が押し寄せるような音のする状態です。

遠浪とは、遠くにある波が出すような音です。

松風とは、まさに松林の中を吹き抜けるような音のする状態です。

無音とは、水を差すことや火の勢いが落ちることで音がなくなる状態です。

 

茶室に漂う松籟の音に耳を傾けてみてださい。

松林の中にいるような情緒を感じ取れるのではないでしょうか。

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