炭道具である羽箒

羽箒は、炭道具の1つで、炭手前のときに、炉であれば、炉縁、炉壇、五徳を清め、風炉であれば、風炉を清めるためのもので、鳥の羽を3枚重ねた三つ羽となっています。

 

左側が広い羽を左羽と言って炉に使い、他方、右側が広い羽を右羽と言って風炉に使います。

更に、左右の幅が同じである双羽があって、兼用となります。

 

キジの仲間である青鸞が一番の上物とされ、鶴、玄鶴(クロヅル)、姉羽鶴、鷲、鷹、鴻、白鳥、野雁、白閑、嶋梟、鴇(とき)、唐国鳥(七面鳥)、などがあります。

 

羽箒にも、時代のトレンドがあって、織部の頃は、野雁、玄鶴が好まれ、遠州以降は鷹狩りの流行で、野雁や鶴が好まれたようです。

また、江戸時代は、鷹狩りで鶴の捕獲が厳しく制限されたにも関わらず、鶴の羽箒が多く残されていますが、将軍が鷹狩りで捕らえた鶴が材料となっていたようです。

そして、江戸時代には、海外の青鸞が珍重され、井伊家や加賀本多家が実用しています。

現在、青鸞の羽箒の新品は、15万円以上の値が付いています。

 

千家十職の飛来位一閑家や京都の羽箒師である杉本鳳堂家には、茶の湯の各流派が使う羽箒の見本が伝わっています。

 

羽が貴重となっており、家畜である唐国鳥(七面鳥)は存在感を増している観があります。

 

鳥類研究家によって、茶の湯の羽箒は研究対象としてとても興味深いようです。

というのも、昭和38年の鳥獣保護法制定以前のものはもちろんのこと、防虫剤とともに保管され、江戸時代のものも少なくないからです。

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