帛紗
茶道を習い始めて、最初に取り組むものの1つに帛紗捌きがあります。
この帛紗ですが、正方形ではなく、表千家や裏千家では、わさのある辺の方が短くなっています。
しかし、流派によっては、わさのある辺の方が長くなっているところもあります。
帛紗は、道具を清めたり、拝見の際に道具の下に敷いたりする布のことです。
色も、紫、赤、朱などがあり、素材も塩瀬という絹が一般的です。
山科道安が著した『塊記』は、近衛家煕の談話を筆録したものですが、享保11年(1726年)正月28日には、「ふくさを腰に付る事に、右にかぎりたる事なれども、今様宗旦流と云ものは、必ず左にするとも云」と書かれています。
武家は左に刀を差すので、武家茶では帛紗は右に着ける流派が多いです。
近衛家煕の茶道の師は、古田織部や金森宗和らの茶の湯を参考にして公家茶道を確立しようとした常修院宮慈胤法親王で、そのため、公家茶道を専らとしました。
それから、近衛家煕は、金森宗和の門人でもあったようです。
帛紗の捌き方も、真、行、草に加えて、多くの種類があります。
四方捌き、ふくみ帛紗などが挙げられますが、他の流派には見たこともない捌き方があるかもしれません。
最後に茶杓を拭った際に、建水の上ではたいたり、下端を取ってはたかなかったり、点前によっても様々な扱いがあります。
また、帛紗ではなくて、古袱紗で道具を清める点前もあります。
帛紗捌きは、流派によって違いがあります。
それを見るのも楽しみの1つかもしれません。
ちなみに、逆勝手では、裏千家流でも右に帛紗を着けます。