長次郎外七種

長次郎七種とは別に、長次郎外七種というものもあります。

 

黒楽茶碗、「雁取」、「小黒」、「閑居」

赤楽茶碗、「一文字」、「太郎坊」、「横雲」、「聖」

 

以下に、長次郎外七種を挙げます。

 

「雁取」

千利休が柴山監物に贈った際、監物は鷹野の雁をそのお礼としました。

すると、利休は「雁取りの文」という手紙の中に、

「思ひきや大鷹よりも上なれや焼茶碗めが雁取らんとは」という歌を

記したことに因んだ銘です。

千利休―柴山監物―?―サンリツ服部美術館

サンリツ服部美術館蔵

 

「小黒」

大黒に対して小黒という銘があります。

伝来不明

所在不明

 

「閑居」

銘の由来は不明です。

千利休―千宗旦―藤村庸軒―柳玄―?―南惣美術館

南惣美術館

 

 

「一文字」

千利休による一文字の漆書きがあることから付けられた銘です。

千利休―千宗旦―真伯宗守―左波五兵衛―山田彦左衛門―戸田露吟―井上世外―益田鈍翁

個人蔵

 

「太郎坊」

京都の愛宕山に住んでいた大天狗として知られた太郎坊に贈るために付けられた銘ということです。

重要文化財

太郎坊―千利休―千宗旦―藤村庸軒―鴻池家

個人蔵

 

「横雲」

茶碗の景色があたかも暁の空にたなびく雲のようなので、この銘があります。

千利休―家原自仙―三井八郎右衛門―藤田彦太郎―田中四郎左衛門―水谷家

個人蔵

 

「聖」

全国を行脚した僧が仏具、衣服、食器などを入れて背負う箱である

笈に茶碗の形が似ていることから、この銘があります。

伝来不明

個人蔵

 

それから、黒楽茶碗「あやめ」(MOA美術館蔵)、赤楽茶碗「濡烏」も長次郎外七種として数えられることもあるようです。

 

名碗も伝わらず、所在不明となっているものが多いことが分かりました。

何とか後世に残していければよいと思います。

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