雨後青山青転青
雨後青山青転青(うごのせいざん あおうたたあおし)
雨が降った後の青山の青は益々青くなっている、ということです。
青山は、青峰のことで、木々は青々と茂っていて遠くからは青く見えている様です。
雨によって空気中に漂う塵も落とされ、また、山に生える樹木も潤いを得て、その緑を鮮やかにさせているのです。
厳しい修行の後は、自身がそれ以前と変わっています。
目の裏の塵が洗い流されて迷いがなくなり、瑞々しい生気を放っているかもしれません。
この文言の出典は、『事文類聚』とされています。
この書物は、宋の祝穆によって編纂された類書で、古典の事物・詩文などを集めたものです。
それから、昭和14年、表千家13代即中斎が襲名後に最初に書かれたのが、雨後青山青転青でした。
どうしてこの文言を選んで書かれたのかは分かりません。
しかし、青という字が3回も出てきて、転たという言葉も混じって、語呂が非常によいと思われます。
また、意味合いにも清清しさが感じられます。
漢字として、水を意味するさんずいに青で清いとは、まさに雨後の青山のようです。
梅雨の終わった後、農作物を潤す水が供給されたこと他に、世界には何か変化が起きているのかもしれません。