落語 荒大名の茶の湯
落語の「荒大名の茶の湯」は「荒茶」とも言います。
元は、講談の演目でした。
慶長4年に、徳川方は豊臣方の荒大名たち、福島正則、加藤清正、池田輝政、細川忠興、浅野幸長、加藤嘉明、黒田長政、を見方に
引き入れようと、本田正信が茶会に招きました。
しかし、茶の湯の作法が忠興以外は心得がありませんでした。
そこで、忠興を正客として、その他は正客の真似をすることにしました。
しんがりの末客は、正則が自ら引き受けました。
まず、忠興が正信にした挨拶を他の5人が真似て、最後の正則はしんがりとしてちょっと違った挨拶をしました。
忠興が古傷のため、首を右に曲げていたのをしんがりが左に、それ以外が右に曲げていたのです。
席入りの前、忠興とその他の5人は露地を褒めますが、しんがりは松葉がこぼれていると敷き松葉を掃除するように言いました。
火灯口を加藤口と間違えて、しんがりは福島口を造るように言います。
そして、濃茶を回し飲みするのですが、諸事情でしんがりのところへは量が減らずに回りましたが、しんがりは役目として全部飲み干したのでした。
しんがりが茶碗を回す回し方は、独楽のように手で畳の上で回転させ、それが丁度、正客の前で停まったのでした。
忠興は茶碗を褒めるのではなく、茶碗回しを褒めたのでした。
以上のような、どたばた茶会でした。
たまにはどたばた茶会もよいかもしれません。
寄席にでも足を運ばれたらいかかですか。