天目茶碗

天目茶碗とは、すり鉢状の茶碗で高台が低く小さいため、天目台という台に載せて給仕します。
また、飲み口である口縁の釉薬が焼成の際に剥げ落ちてしまうことが多いので、覆輪と言って、金、銀、プラチナなどで縁を輪状に覆って、それ以上の傷の進行を防ぐとともに、口当たりを良くします。

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現在、国宝茶碗の8碗中、5碗が天目茶碗であり、その内訳は、曜変天目3点、油滴天目1点、玳皮天目1点となっています。
曜変天目と油滴天目は、建窯で焼かれ、玳皮天目は吉州窯で焼かれました。

 

曜変とは、茶碗の内側に、大小の斑点の輪郭が瑠璃色の光輝を放つ茶碗です。
そして、伝世品は日本にしかありません。

 

油滴天目とは、内外を覆う黒い釉に、あたかも油の滴のように銀色や金白色に輝く斑点が散りばめられている茶碗です。

 

玳皮天目とは、茶碗の内外に鼈甲のような文様を備えた茶碗です。

 

浙江省天目山の禅院で使われていたものを、日本からの留学僧が持ち帰ってきたことから、天目茶碗の名がありますが、鎌倉から室町時代にかけて日本にもたらされました。

 

『君臺観左右帳記』によると、曜変、油滴、建盞、烏盞、鼈盞、能盞(玳玻盞)、天目(只天目)の7種類に分類されています。
「曜変、建盞の内の無上也。世上になき物也。」と、曜変が最上位として記されています。

 

実際に、美術館で曜変天目をご覧になると、その妖艶な瑠璃の光の虜となることでしょう。

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