茶歌舞伎

七事式の一つに、茶かぶきというものがあります。
茶歌舞伎や茶香服という漢字表記が当てられています。
その起源は、闘茶というものです。

 

闘茶は、宋から日本に鎌倉時代末期にもたらされてから、室町時代中期にかけて、武家、公家、僧侶の間で流行した本茶と非茶を飲み当てる一種のゲームのことです。
その際、京都の栂尾一帯の茶を「本茶」とし、それ以外の茶を「非茶」としました。

 

闘茶が広まるにつれて、当てた点数を競って、賭物を取り合うまでにエスカレートし、室町幕府は、禁止令を出すほどでした。

 

闘茶の名残であるかぶき茶を、千宗旦は侘び茶に反するものとして禁止した後、この種のものは行われなくなりました。

 

それが、七事式の制定とともに、茶かぶきとして、再び、茶の湯に取り上げられました。
まず、二種の試み茶を飲んだ後、これに一種の茶を加えた三種の本茶を飲み、茶の種類を飲み当てるものです。
いずれも濃茶になります。

 

七事式は、表千家7代如心斎と裏千家8代又玄斎一燈が制定したものです。
この際、茶かぶきは、于古于今截断舌頭始可知真味、(舌三寸で味を判断するのではなく、舌を断ち切って本来の味を判断すること)という禅語による精神的な裏付けがなされています。
無心の喫茶によって真の味が分かるということです。

 

現代の茶の湯にも、利き酒ならぬ利き茶という茶かぶきのようなものがあります。
ですので、気楽に茶の湯を楽しんでいただければよいと思います。

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