センスのある扇子の使い方

扇子は、8世紀頃、日本で発明されたものです。
基本的には、暑さを和らげるために扇いで風を起こして涼を得る道具で、汗の気化熱で肌の熱が奪われて温度が下がります。

 

扇面の材質としては、紙、生地、白檀があります。
骨の材質としては、竹や木があります。

 

涼を取る夏扇子、日本舞踊の舞扇子、能楽の仕舞扇、部屋に飾る飾り扇子、茶の湯の茶扇子、礼装用の祝儀扇、檜扇などの種類があります。

 

この扇子が、基本的な使い方以外の使われ方で用いられるようになっているのです。

 

舞扇子や仕舞扇は、カザシ扇、月ノ扇、ハネ扇、ユウケンのように、舞の所作を表す際に、また、杯、筆、風、波のように、物の代替として表す際に使われます。
また、落語でも扇子が物の代替として使われます。

 

茶道では、お辞儀をするときに自分の前に置いて結界として使ったり、開いて月謝袋を渡すときに載せてお盆として使ったりします。

 

究極的なものは、投扇興という開いた扇子を投げて、桐台の上の胡蝶形の的を落とすゲームでの使われ方でしょう。
的の落ち具合と扇子の状態を、『源氏物語』53帖の巻名になぞらえています。

 

印象派の絵画にも登場する扇子ですが、その使われ方も進化していったようです。

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センスのある扇子の使い方” に対して 2 件のコメントがあります

  1. いま より:

    能の型!久しぶりに思い出しました!(元能楽部です)
    本当に様々なことに精通されていて敬服致します!

    「月の扇」は憧れてたけど一度も仕舞でやったことがないです。
    平家の武者役は海に沈む太陽が描かれた扇を持ちますよね。
    日本の伝統芸能は二つの意味でセンスが良いですよね。

    古帛紗や扇に自分のこだわりを持つと楽しいです。
    私はササン朝ペルシャ柄の古帛紗忍ばせています。
    ほとんど使ったことありませんが(笑)

    1. sehbi-an より:

      コメント、ありがとうございます。
      能楽がよく題材とされる立原正秋の小説を読んでいたので、能楽部には憧れがありました。
      さまざまな裂地の種類がある古袱紗や数々の柄がある扇で、自分の個性を出すのもいいですね。
      古袱紗を織る職人が減ってきているようなので、今のうちに自分の好みのものを入手した方がいいかもしれません。
      また、宜しくお願いします。

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