東西南北に加えて春夏秋冬も自在に繰る まさに道士

茶の湯は、陰陽五行説と密接な関係があります。

 

陰陽五行説とは、自然界は、陰と陽に分けられ、更に、木、火、土、金、水の五元素から成り立ち、この五元素は、相生、且つ、相剋の相互関係にある、という古代中国の宇宙観のことです。
また、以下のような関係が成立します。

 

陽、 陰
太陽、月
上、 下
天、 地
表、 裏
丸、 四角
乾、 湿

 

木、火、土、 金、水
春、夏、土用、秋、冬
東、南、中央、西、北
青、赤、黄、 白、黒
陽、陽、陰陽、陰、陰

 

茶室内は、陰陽五行説に則った、陰陽と五行の支配する宇宙です。
『南方録』によれば、曲尺割(かねわり)が厳密に定められており、畳に5本の線を引いて6分割し、更に、各分割の中央に線を引いた五陽六陰十一の曲尺に従って、道具を配置します
(しかし、カネ外しという例外があります)。

 

また、濃茶の点前で、茶入を清める前に、袱紗を捌く際、四方捌きをしますが、これは、東西南北を清めているのです。
そして、方角は季節である春夏秋冬でもあるので、季節も清めています。
実に、茶の湯のスケールの大きさを感じます。
道教の仙人のようでもあります。

 

それから、天板が丸い卓に柄杓を荘るときは、丸い合を伏せて、他方、天板が四角い棚は合を上にして荘り、陽と陰の組み合わせにしています。
茶室という小宇宙で、茶の湯をお楽しみください。

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