啓蟄

本日は、二十四節気の第三となる啓蟄です。

 

啓蟄とは、冬ごもりしていた虫、蛇や蛙などが春の暖かさを感じて、外に出てくる頃合いを意味しています。

 

テレビの天気予報で、よく啓蟄が話題に取り上げられていますので、お馴染みの方も多いと思います。
初めてこの言葉を見た人は、難しい漢字で意味も分からない状態なのに、二十四節気の中でも知名度が高いのは、寒い冬のさなか、暖かな春の訪れを待ちわびていたからなのではないでしょうか。
暖かさを感じて外に這い出してきたのは、虫ではなく、実のところ、私たち、ヒトではないでしょうか。

 

それは、あたかも、寒い露地から、躙り口をくぐって炉や火鉢で暖められた茶室へ這い入るような感じではないでしょうか。

 

啓蟄に行われる行事として、菰(こも)はずしがありますが、文字通り、菰巻きをはずすことです。
菰巻きは、マツカレハの幼虫を除去するために松などに冬の間、巻かれ、地上に降りて落ち葉の中で越冬しようとするマツカレハの中齢幼虫が降りる途中の藁でできた菰巻きの中で越冬するのです。
これを啓蟄に外して、幼虫とともに焼くのです。
ところが、マツカレハの天敵であるヤニサシガメなども一緒に焼かれ、個体数ではヤニサシガメの方が多く、逆効果であることが近年分かり、菰巻きが行われなくなったところもあるようです。

 

啓蟄に、躙り口から茶室に入る際、茶室の暖かさを体感してみてください。

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