ジェネリック医薬品ならぬジェネリック家具

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■ジェネリック医薬品ならぬジェネリック家具

▪ジェネリック家具とは端的に▪

ジェネリック家具とは、意匠権切れとなった家具を忠実に再現して製作したものということです。単なる家具というわけではなく、いわゆる、デザイナーズ家具のような素晴らしいものがジェネリック家具の対象となっています。

意匠権が切れているので、誰でも自由にデザイナーズ家具と同じものを造ることができます。そして、廉価で消費者のもとに供給されるのです。

 

▪ジェネリック医薬品とは▪

病院でもらった処方箋を調剤薬局に持って行った際、ジェネリック医薬品にするかどうか、という質問をされたり、処方箋に従ってジェネリック医薬品を処方されたりした経験があるかと思います。

ジェネリック医薬品は、後発品とも言われるように、先発品である医薬品の特許が切れて、先発品メーカー以外の製薬会社が同じ薬効を示す成分を入れて製造した医薬品のことです。医薬品の特許期間は、20年から25年となっています。

ジェネリック医薬品は臨床試験で検証すべき項目が少ないため、先発品に比べて開発費用が掛かりません。従って、ジェネリック医薬品は先発品よりも薬価、つまり、価格が安くなります。値段が安いにも関わらず、同等の薬効が得られるのです。

ジェネリック医薬品を使用することにより、患者の医療負担が軽減されるだけではなく、高齢化社会となりつつある日本の医療費全体が抑えられます。そのため、国がジェネリック医薬品の使用を推奨しているのです。

独占販売を認めた特許が切れることで、他社が参入して廉価な商品が流通することになります。

 

実際、日本でジェネリック家具を初めて仕掛けた方は、コピー品と明確に差別化するために、ジェネリック医薬品からジェネリック家具の名称を着想しています。

 

▪特許法、及び、意匠法▪

特許法、実用新案法、意匠法、商標法は、産業財産権4法と呼ばれます。

特許法とは、「発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする」(特許法1条)法律です。

意匠法とは、「意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする」(意匠法1条)法律です。

 

従って、医薬品の薬効成分である化合物やその製造法は特許法で守られ、デザインや意匠も意匠法で守られます。この保護された期間は、研究開発費を回収するためのものです。そして、その期間が過ぎれば、技術や意匠は万人のものとして、誰でも自由に使えるようになるのです。

意匠登録を行った商品は20年間、意匠権で意匠が守られ、他方、意匠登録を行わなくとも20年間、意匠権で意匠が守られます。その間に、他社がその意匠をコピーすれば、不正競争防止法違反となります。

従って、意匠権の切れたデザイナーズ家具を造って販売しても、法的には問題とはなりません。

 

▪ジェネリック家具の魅力▪

今まで意匠権が守られていた優れたフォルムをなすデザイナーズ家具が、とてもリーズナブルか値段で購入することができるというのが、ジェネリック家具の最大の魅力ではないでしょうか。つまり、デザイン料や開発費が加味されていないのです。

コルビジェ、ネルソン、イームズ、 イサム・ノグチという巨匠達のデザインした家具が手に入りやすくなっているのです。このような家具が家にあると、本当に上質な空間へと変わってしまうものです。

 

▪ジェネリック家具の短所と長所▪

オリジナルと全く同じというわけではありません。価格を抑えるために、別の素材が使われることもありますし、掛けられている手間も違って雑に仕上げてあることもあります。製作工程にも違いがあるかもしれません。

逆に、時代が新しくなっているために、当時よりも優れた素材や技術が使われることもあります。

 

▪「渡辺篤史の建もの探訪」にも登場するジェネリック家具▪

戸建ての家を紹介するテレビ番組として、「渡辺篤史の建もの探訪」はとても人気で非常に長寿な番組となっています。

その中で、しばしば、デザイナーズ家具が登場しますが、テレビで紹介したくなるような家には素敵な家具が本当に映えます。このような家具も、ひょっとしたらジェネリック家具かもしれません。

 

▪よい家具は主を引き立たせる▪

最近、ミニマリストという物をなるべく持たない人が増えているようですが、やはり、素晴らしい家具が部屋にあるのとないのとでは、全く雰囲気が異なるのではないでしょうか。そして、その素晴らしい家具は、部屋だけではなく、その持ち主自身をも引き立てるものです。

そのため、少なくとも1つ位は、よい家具を持ちたいものです。それには、リーズナブルな価格で手に入れることができるジェネリック家具は、デザインや機能の点でおすすめとなります。

 

▪まとめ▪

以上より、ジェネリック家具とは、意匠権の切れたデザイナーズ家具を再現したものであることが分かりました。そして、デザイン料や開発費が掛かっていない分、価格がリーズナブルとなっています。しかし、優れたデザインや存在感は、オリジナルに引けを取りません。

それでは、お気に入りのデザイナーズ家具をジェネリック家具でお買い求めになって、家で使ってみてはいかがでしょうか。

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