跳ね上げ式ベッドの縦開きと横開きとはどういうこと？

■跳ね上げ式ベッドの縦開きと横開きとはどういうこと？■

▪疑問確認▪

跳ね上げ式ベッドの床板は跳ね上がるようだけど、その縦開きと横開きっていったい何なの、という疑問を持つ方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。

▪狭い部屋の省スペース化

独り暮らしの人が徐々に増えています。2018年1月12日に、国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の世帯数の将来推計」によれば、2040年には1人暮らしが4割になり、これは晩婚化、未婚増によるものになります。

現在、そして、将来も1人暮らしの人は、あまり広くはない賃貸の住居に住むと考えられます。というのも、あまり広すぎてもその空間を使い切れずに、家賃の無駄になってしまいます。

つまり、1Kのような部屋が一般的になっています。しかし、このような狭い部屋では、ベッドを置いた状態では、別の家具を置くことが場所的になくなっています。

これでは、ただでさえ狭い部屋が、もう窮屈としか言いようのない状況になってしまいます。そうなると、とてもストレスを感じて深い眠りを得ることができません。

従って、狭小空間を工夫によって広く使うことが大事になります。

▪跳ね上げ式ベッドというもの

最近、とりわけ注目を集めているものとして、跳ね上げ式ベッドが挙げられます。あまり聞き慣れない名称かもしれません。これは、その名から分かるようにマットレスの載る床板が跳ね上がるというダイナミックなベッドです。

動きがあるため、床板を跳ね上げる際に力がとても必要な印象を受けますが、実はそれほど力をいれずに持ち上がるのです。

それは、ガス圧シリンダーという装置があるためです。

こうした動的機構がある理由は、床板下の空間を収納として活用するためです。従って、ベッドと収納が一体化した家具であると言えます。

そのため、狭い部屋の省スペース化に繋がり、広く使うことができるのです。跳ね上げ式ベッド注目されているのは、このためです。

▪跳ね上げ式ベッドの特徴となるガス圧シリンダー

力を入れずに床板を跳ね上がるために必要な装置が、ガス圧シリンダーです。

これは筒の中に空気を封入して密閉し、その空気圧を利用することで、重力と加える力が釣り合った状態で滑らかにシリンダーが動いていくのです。

そのため、力のない女性でも、楽々と床板を跳ね上げることができるのです。つまり、独り暮らしの女性でも苦もなく動かせます。

また、ガス圧シリンダーは、物の出し入れのために何度も駆動することになります。それ故、劣化や故障のリスクが使用するにつれて高まっていきます。

従って、品質と安全性に関して信頼できる日本製がおすすめとなります。

▪通常の縦方向の跳ね上げ

跳ね上げ式ベッドの床板が跳ね上げられる方向は、フットボードからヘッドボードの向きになるのが一般的です。

この方向に床板が跳ね上げられることが多いのかと言えば、バランスの問題による理由があると考えられます。

フットボードからヘッドボードへの距離の方が、サイドボードからサイドボードへの距離よりも長いため、縦方向への力に対して、ベッドが安定しています。

そのため、ベッドが横転することはありません。確かに、縦転という言葉は存在していません。

ベッドが横転することがないため、1人暮らしの女性も安心して使ってもらっていいものです。

▪興味深い横方向の跳ね上げ

実のところ、跳ね上げ式ベッドには、縦方向ではなく、横方向に床板が跳ね上げられる仕様が造られています。

それを可能にしているのは、ガス圧シリンダーという装置の機能と構造によるものです。つまり、ガス圧シリンダーを付ける位置によって、床板が縦方向にも、横方法にも跳ね上げることが可能となります。

跳ね上げ式ベッドには床と接する部分にも板があって、その上に物を置く仕様のものもあります。

このような構造であれば、横方向への力による横転のリスクが低くなります。

▪跳ね上げ方向の自由度による配置の自由

床板が縦と横の両方に跳ね上がることによって、そのメリットの恩恵にあずかることができます。

部屋の間取りや形状は、個々によって異なるものです。そのため、縦方向に跳ね上がる仕様を置くと、物の出し入れをするための床板の跳ね上げが困難な場合があります。

ところが、横方向に跳ね上がる仕様であれば、物の出し入れが容易になることが多々あります。これが、跳ね上げの方法を選ぶことができる最大のメリットです。

しかし、一端、購入した跳ね上げ式ベッドを、反対方向に跳ね上げるためにガス圧シリンダーを自分で付け替えることはあまり推奨されません。跳ね上げた状態のマットレスと床板をしっかりと支える必要があるので、自分で付け替えると強度が落ちる可能性があるからです。その結果、事故が起きてしまうことにもなりかねません。

そのため、購入時に、縦方向か、横方向かを部屋の形状をきちんと判断して選ぶことが大切になります。