桂離宮

「泣きたくなるほど美しい」と建築家のブルーノ・タウトは1933年に桂離宮を初めて訪れた際、こう日記に記しています。

 

月の桂というように、古代中国では月には桂の木が生えていると考えられていました。

京都の桂川のほとりに位置する桂は、すなわち、月の名所なのです。

 

そこに、営まれた別荘が、桂離宮です。

 

後陽成天皇の弟である八条宮智仁親王(1579-1629 年)とその子、2代智忠親王(1619-1662 年)によって創建されました。

元和1年(1615年)から造営が始まり、約半世紀をかけて、古書院、中書院、新御殿という3つの書院から別荘が完成しました。

 

回遊式の庭園を備え、月波楼、松琴亭、笑意軒などの茶室が点在します。

 

桂離宮の新御殿が造営された理由は、天皇のお成りのためです。

実際、寛文3年(1663年)の後水尾上皇のお成りは実現しています。

このときの当主は、3代穏仁親王でした。

 

以降、明治期に、旧八条宮である桂宮は途絶え、宮内省の管理するところとなりました。

 

まず、御幸道から御幸門を潜って、池に沿って行くと市松模様の襖が有名な松琴亭に至ります。

更に、池に沿って行くと賞花亭、ビロードの腰壁貼り付けが見所の笑意軒を経て、雁行形に並んだ月見台のある古書院、狩野三兄弟の

絵が描かれた中書院、新御殿に着きます。

そして、月波楼という月見用の茶室があります。

 

約3ヶ月先まで、見学の予約が入っているようですが、一度は訪れてみるべく場所です。

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