静電気はバッチとして驚きますが、コルクマットに静電気は溜まるものなの、という疑問を持っている方がいらっしゃるようですので、それに答えたいと思います。
通常、電気と呼ばれているものは電線やコードを電流が流れているもので、特に動電気と呼ばれています。これに対して、電流がなく、荷電が留まった状態であるものを静電気と言っています。
この静電気には、クーロン力という同じ荷電同士の引き合いや異なる荷電同士の反発という物理的な力が作用しています。
冬の寒い時期に、金属製のドアノブに触れた瞬間に静電気が放出され、バッチという刺激を感じることがあります。このように、静電気は身近なところに潜在しているのです。
電気設備学会誌の「静電気による爆発とその防止対策」(2009年8月、Vol.29、No.8、pp.624-627)によれば、静電気スパークを発火源とする火災が年間約100件発生していることが消防庁から報告されているということです。
そして、この火災の原因となった静電気を帯びた物質や製品として、粉体(18%)、作業者・着衣(17%)、液体(16%)、静電塗装(7%)、ロール(5%)、気体(5%)、残りがその他(32%)という内訳となっています。
更に、製造業において、どのような作業をしているときに静電気スパークを発火源とする火災が起こるのかと言えば、粉体投入(約25%)、集じん(16%)、液体流動(14%)、噴出(14%)となっています。
従って、粉状という燃え易い状態である粉体が静電気を帯びて、自身で発火して自身が燃えるという事態が多発していることが分かります。
そのため、静電気スパークが起こらないような対策が必要となります。
電気を流さないものを絶縁体、電気を通すものを導体と言います。そして、吸湿性の低い合成繊維やプラスチックのような電気絶縁体において、静電気は溜まり易くなっています。特に、摩擦によって静電気が溜まり易くなっています。
さて、コルクは、合成繊維でもプラスチックでもなく、リグニンやスベリンという植物の細胞壁を構成する高分子化合物が3次元に張り巡らされたものでできています。更に、コルクは細胞壁がそのまま残った多孔質構造を有しています。従って、木と似たような性質を示し、静電気を帯びにくく、僅かに通電性があります。
従って、コルクは静電気を帯びにくくなっているのです。
家屋のフローリングの上に敷くものとして、昨今、コルクマットが人気となっています。表面にはコルクが貼られ、その土台となっているものはエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)というプラスチックです。
選ばれる訳には、防寒、防音、クッション性、非抗原性、撥水性、撥油性などの性質を備えていることがあります。
すなわち、EVAやコルクが物理的に、冷たさや音を遮断しています。また、EVAの柔らかさが弾力性を産み出し、転倒した際の衝撃を吸収します。そして、コルクはスベリンやリグニンという頑強な高分子の編み目構造をなしているために、水も油も透過させにくくなっています。
従って、コルクマットは、赤ちゃんやペットのいる家庭で特に導入されて使われているのです。
吸湿性の低い合成繊維でできたカーペットは、冬の寒い時期になると静電気を帯びてします可能性があります。そのため、ちょっと皮膚が接触した際に放電が起きてしまうことになります。また、セーターなどを着ている場合、クーロン力によってカーペットとセーターが相互作用することもあるかもしれません。いずれにせよ、不快であることには変わりはありません。
ところが、コルクマットは、表面がリグニンやスベリンという木化成分でできているコルクとなっています。そのため、静電気が帯電することがなく、快適な状態を保っています。
従って、ヒトやペットと接触するような敷物として、コルクマットは、アレルギー反応を起こさないという生化学的にも、そして、電気化学的にも、大変優れたものである言うことができます。
静電気スパークのリスクを抑えるためには、静電気を誘起する金属、流動する気体、引火性のある物質などの取扱に留意する必要があります。
そして、肝に銘じておかなければいけないことは、静電気スパークは工場などの特殊な設備だけではなく、一般住宅においても起こるものであるということです。
例えば、家庭でドライクリーニングをしているときに起こった事例がかつて報告されています。それ故、灯油やガソリンに静電気スパークが引火することも大いに想定されます。
そのため、静電気スパークの発生を抑制するための手段の1つとして、コルクマットを導入するという方法もあります。
以上より、静電気の放電によって驚かされたことのある人はとても多いと思います。場合によっては、静電気スパークによって火災が発生することもなくはありません。
そこで、静電気を帯びにくいコルクを表面に貼ったコルクマットを床に敷くことで、静電気に起因する事故が発生することを抑える効果が期待されます。
それでは、静電気フリーの敷物であるコルクマットを床に敷いて、快適なマット生活をお楽しみください。
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