コルクマットを敷くとダニが発生するかどうか気になっている方が少なからずいらっしゃるようですので、その疑問に答えたいと思います。
家庭に最も普及しているコルクマットであるタイプとして、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)の台の上にコルクを貼っているものを考察の対象にすることにします。
さて、ダニは、クモやサソリと同じ仲間である節足動物で、2万種ほどが確認されていますが、家の中に生息しているものは、全体の約8割がコナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニのようなチリダニ科、約1割がイエササラダニのようなイエササラダニ科になります。
ダニそのものだけではなく、死骸、糞、脱皮殻もまた、ヒトに対して抗原(アレルゲン)性を示して、アレルギー反応を起こします。そのため、アレルギーを防ぐためには、ダニを駆除するとともに死骸、糞、脱皮殻も取り除かなければいけません。
掃除の方法としては、掃除機で、抗原となる死骸、糞、脱皮殻と、餌になる垢、フケ、髪の毛、食べかすなどをじっくりと吸い取ってください。その他にも、換気を心掛ける、湿気を取り除くなど、対処すべきことはあります。
従って、掃除も重要ですが、そもそも、ダニの住みにくい環境を整える必要があります。どういう場所を好むのかといえば、カーペット、絨毯、畳、寝具、布製のイス・ソファという身を隠すのに適した場所です。反対に、フローリングは隠れにくいのであまりいません。また、20-30 ºCで湿度60%以上の高温多湿の条件が、生態に適しています。そして、餌となるヒトの垢、フケ、髪の毛、食べ物のかすなどのある場所が好まれます。
「カーペットの使用期間と屋内塵性ダニ類の発生の関係について」(日本ダニ学会誌1998, 7, 115-125)によると、5住宅において新品のカーペット(ポリエステル製、全厚8 mm、パイル長3 mmのループパイル)を日常生活で使い、週2-3回掃除してもらいました。
その結果、「細塵量およびダニ総数は使用開始から約12か月の範囲では,使用期間の長期化に伴って増加する傾向が認められた。しかし細塵量は,使用開始から1か月間での蓄積量と、数ヶ月使用したカーペットの、1か月間当たりの平均蓄積量は、前者のほうが多くなる傾向があり、カーペット使用開始初期は細塵の蓄積量が多くなる傾向が認められた。」という報告があり、掃除をしていてもダニと塵が増えていくことが実証されました。
また、「屋内生息性ダニ類の生態および防除に関する研究(2)」(家屋害虫1992, 14, 13-25)、および、「屋内生息性ダニ類の生態および防除に関する研究(3)」(家屋害虫1992, 14, 88-101)では、ダニは、木質フローリングやPVCタイルよりも、塵の蓄積しやすい畳やカーペットなどに多く生息していることが示されました。
このように、ダニの住みやすさに関しては、カーペットは敬遠される傾向にあるようです。そのため、ダニの好まない環境を創出すればよいのですが、防音や感触からカーペットを使い続けている方がいるというのは事実です。従って、カーペットなどの敷物の代替となるものを敷けばよいことになります。それが、防音性があってクッション性のあるコルクマットであると言えます。
コルクマットの表面は、スベリンとリグニンからなる頑丈な高分子成分からなるコルクが貼ってあり、繊維状突起はないため、ダニが潜伏しにくく、更に、その餌となる塵や垢などが溜まりにくいという物理的な特性を持つ形状をなしています。
また、コルクの高分子構造は、水も油も透過させないので、湿気を帯びておらず、生物学的な特性としてダニが住みにくいなっています。
そして、コルクマットの土台となっているEVAは、高分子の軟性樹脂ですので、ダニが住むのには適していません。
但し、ジョイント式であるため、端にぎざぎざ部分が残っていると、凹部に餌となる塵や垢などのゴミが溜まってしまします。ですので、サイドパーツをはめるか、カッターで凸部を切り取るかして、真っ直ぐにした方がよいでしょう。この方が、ゴミが溜まらないだけでなく、掃除もしやすくなりますので、一石二鳥になります。
それから、寝具に関しては、ヒトが直に寝るため、フケや垢が付着しており、また、汗をかくために湿気を帯びています。そして、ヒトの発する熱が籠もって暖かいです。まさに、ダニが好きな環境です。
そのため、万年床にせず、こまめに起こしてください。ダニは乾燥を嫌うので、布団乾燥機で乾燥させることが有効です。そして、死骸と糞などを掃除機でゆっくりと吸い取ってください。
また、ベッドの場合、畳から這い上がってはきませんが、ゴミの溜まりやすいマットレスに多く生息していますので、これも掃除機でゆっくり吸い取るのがよいでしょう。
以上より、コルクマットは、表面がリジッドな高分子からなるコルクであるため、ダニが隠れるところがなく、また、餌となる垢やフケも溜まらず、そして、湿気ていないので、ダニ対策として理想的な敷物であると考えられます。
そのため、赤ちゃんや敏感肌の人がダニアレルギーになるリスクが低減され、とてもやさしいと言うことができます。安心してお使いいただける製品です。とはいうものの、掃除はこまめにすることを心掛けてください。
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