コルクマットを敷くとカビが生えるかどうか気になっている方が少なからずいらっしゃるようですので、その疑問に答えたいと思います。
まず、市販のコルクマットは、100%コルクのものと、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)の台の上にコルクを貼っているものの2種類に分けることができます。しかし、100%コルクのタイプは値段が高いので、一般的に普及しているのは、EVAにコルクの貼られたタイプのものと考えられます。
コルクは、スベリンとリグニンを主成分とする頑強な高分子からできているので、水や油などを透過させにくい性質を持っています。他方、EVAはチューインガムに用いられている素材で、噛んでいても減ることなく、口の中に残っているように、EVAも水や油などを透過させにくい性質を持っています。
ということは何を意味するのかといいますと、EVAにコルクの貼られたジョイント連結式コルクマットと、EVA100%のジョイント連結式のマットの性質は、液体の透過性という点に関しては、つまりは、湿気の籠もり具合という点に関して、非常に似たものであるということです。
調査してみますと、EVAのジョイントマットを敷いていて、その下にカビが生えたという事象は多数報告されています。ですので、カビが生えるという事象は、コルクマットに限ったことではなく、広義のジョイントマットに拡大して考えるべき問題と言えます。
ジョイントマットは、凹凸のないフローリングの上に敷くことがほとんどだと思われますが、ジョイントで繋ぎ合わせた一繋がりマットの裏側はフローリングと密着しています。そのため、フローリングにどこかから通じている小さな穴でも空いていないと、両者の間に湿気が籠もることはないと考えられます。
確かに、フローリングの板と板の間には僅か溝がありますが、これは板の長い縦方向に沿ったもので、短い横方向は溝や隙間はありません。それでは、カビの生え方はどうかというと、決して、この溝に沿った一直線に近い短冊状に生えてはいません。従って、通常の使用では、カビは生えないのではないかと思われます。
それでも、カビが生えるということは何か別の原因があるのではないかと考えられます。どういう場合にカビが生えているのかを検証すると、何かしらの液体がジョイントマットに掛かってしまったケース、ないしは、ジョイントマットの上に布団を敷いていたケースがどうやら多いようです。
毛細管現象は、液体が固体と固体の極めて狭い隙間を伝わっていく物理現象です。ですので、ジョイントマットの連結部分に、飲み物、ペットのおしっこ、結露の水が掛かってしまった場合、連結部の隙間を通ってマットの裏側に入り込んで、更に、床とマットの僅かな隙間により拡散していくことがあると考えられます。
従って、液体が掛かった場合は、表面だけを布で拭き取るのではなく、ジョイントを外してマットを上げて、裏側や床が濡れていないことを確認し、濡れていたら布で拭き取って乾かしてください。念のため、濡れていなくともマットを上げて陰干しや風乾をするのが賢明かもしれません。
部屋の端で窓に近い箇所にカビが発生していたら、結露が疑われます。それから、カーペットでも液体をこぼして拭かなかったらカビが生えたという事象もあるようですので、液体のこぼれとカビは、敷物全般の問題と捉えることができます。
ジョイントマットの上に布団を敷いていてカビが生えるケースですが、この場合、カビは布団やマットレスに生えることが多いようです。極端な例では、固体であるフローリングの上に布団を敷いていても、カビは布団やマットレスに生えるようです。寝ている間に人は約200 mLの汗を一晩にかくので、布団はとても湿気を帯びているのです。
従って、起きたら布団を速やかに、こまめに上げることで、湿気を大気中に逃がしてやり、カビの発生を未然に防ぐことが大事です。というものの、人はそれほど勤勉とは言いがたいところがありますので、すのこマットをご利用になることをおすすめします。
これを使った状態であれば、布団の下に湿気が籠もる心配は極めて少なくなります。コルクマットの上にすのこマットを載せて使用してもよいと思われますが、コルクマットが加重で凹まないかを確認してからお使いください。
以上より、コルクマットを敷くとカビが生えるという問題は、ジョイントマット全般に及ぶことで、更には、これらを加えてカーペットを含めた敷物全般に該当する事象であることが検証の結果、判明しました。
カビの発生は、主に、液体がこぼれた場合、睡眠に伴う湿気が寝具に籠もる場合が確認されました。ですので、この点に注意してご使用になれば、カビが発生することなく、快適な日常生活をエンジョイすることができます。
それでも、飲み物などをこぼすことはどうしても起こってしまうことですので、その際は、速やかに表面を拭くとともに、コルクマットであれば、ジョイントを外して本体を上げて、濡れたところ拭いてからしばらく乾かしてください。また、裏が濡れてなくともしばらく乾かすのが好ましいです。
更に言えば、カビの確認と予防のために、ときどきジョイントを外して本体を上げて、陰干しするほどの慎重さがあれば素晴らしいです。
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